山口県の長門市。
山口県の北西部に位置するところ。
近年になって、山口県は観光地としてかなりフォーカスされる中で、たくさんの赤い鳥居、自然豊かな緑、海岸の青のコントラストで世界から注目されている、元乃隅稲成神社があることでも有名ですよね。
ちなみにこの元乃隅稲成神社、2019年から元乃隅神社に改名したってご存知でしたか。
聞くところによると、神のお告げによりこの結果に至ったとか。
外国人観光客が増加して、覚えてもらいやすくするためとも。
そんな話題満載の長門市を今回は紹介していきます。
日本海に面した長門市ですが、その日本海が生み出した景観は、お隣の萩市や阿武町とともに、北長門海岸国定公園に指定されているんですね。
国定公園を形成するスポットもさまざま存在し、長門市を象徴しています。
かつて捕鯨が行われていた青海島(おうみじま)や、本州最北西端の川尻岬、ここにもあるのかっていうくらい全国各地にある千畳敷など、見ごたえのある景観ばかり。
もちろん国定公園以外にも、自然における見どころはたくさん。
千畳敷近くの菅無田(すげむた)公園では、4〜5月にかけて色鮮やかなツツジを鑑賞できます。
また、油谷の方には妙見山展望公園という、油谷湾と日本海を一望できる絶景スポットもあります。
日本棚田百選にも選ばれている、油谷町にある東後畑(ひがしうしろばた)の棚田もこれまた見事な景観です。
他にも広々とした緑の多い公園がたくさんあって、ピクニックも楽しめそうですね。
そして、長門市は実は温泉も多いのです。
長門五名湯とも呼ばれる5つの温泉郷があり、どれも個性的なところとなっています。
ちなみに五名湯とは、いちばん歴史の古い、長門湯本温泉。
山間にひっそり佇む、俵山温泉。
海に沈む夕日を楽しめる、油谷湾温泉。
三隅方面に位置する、湯免温泉。
海沿いの草木が生い茂る場所にある、黄波戸(きわど)温泉。
中でも個人的なおすすめは、外湯メインでほんのり温泉街の雰囲気を味わえる俵山温泉ですかね。
ここを見つけたとされる白猿にちなんだ、三猿まんじゅうは可愛らしいですよ。
最後にここ長門市にまつわる著名人を少しばかり紹介。
まずは、「赤い鳥」などで有名な童謡詩人、金子みすゞ。
長門市の仙崎という、青海島に続く地域で生まれた彼女。
そのこともあり、仙崎には金子みすゞ記念館もあります。
非凡な才を持ち合わせながらも、26歳の若さでなくなった彼女の生涯を学ぶことができるところとなっています。
そして、洋画家として名を馳せた、香月泰男。
彼も長門市の三隅で生まれた、長門市ゆかりの人物。
太平洋戦争で召集され、当時のソ連での抑留経験が彼の作品に大きな影響を与えたとのこと。
その作品の数々は、なんだかどこかで見たことがあるような、そんな懐かしさを秘めていると感じます。
そんな彼の作品は、香月泰男美術館で見ることができるので、湯免温泉とセットで楽しめちゃいますよ。
最後にもうひとり。
世界三大美女である楊貴妃も少し関わりがあるのです。
あくまで伝説ですが、中国が唐の時代、玄宗皇帝から命からがら逃げ出した楊貴妃が船に乗って流れ着いたのが、ここ長門市の向津具(むかつく)半島。
その後間もなくして亡くなり、現在の二尊院境内に埋葬されたとのこと。
なので境内には中国にある楊貴妃と同じ大きさの彼女の巨大像があるらしく、訪れる価値はあると思いますよ。
こうして長門市を見ると、自然景観や公園、温泉から文化まで、訪れるところとして非常にバランスの取れたところではないかと思います。
山口県自体が非常に横に長く、1日や2日で全部楽しもうという感じでは、あまりに不十分だと感じます。
一つ一つの市町村を時間をかけてゆっくりと味わうことができる、その1つとして長門市は文句なしのところだと思いますな。
アクセスとしては北部を横に走るJR山陰本線と、長門市駅と厚狭駅を結ぶJR美祢(みね)線があるので、ぜひ鉄道の旅を楽しんでいただきたいですね。