徳島県の阿波市。
北部に位置する、香川県の東かがわ市と隣接しているところ。
阿波市と聞けば、阿波踊りが頭に浮かんだ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに阿波踊りは徳島県で盛んに行われていますが、そのメインは阿波市ではなく徳島市。
テレビでよく見る光景も、徳島市で開催されている阿波踊りなんですね。
まあ、徳島県自体がかつて阿波国と呼ばれていたので、間違いとかそういうのでは一切ありません。
むしろ阿波市もそうですし、他の市町村でも阿波踊りのイベントもやってますしね。
そんな阿波市、いったいどんなところなのでしょうか。
阿波市には珍しい地形があります。
それは、阿波の土柱。
なんだそれと思いますよね。
土柱とは砂や礫といった細かい粒の地層が、雨などで侵食されて形成された非常に脆い土の柱のことなんです。
そしてこの阿波の土柱、実は世界三大奇勝の1つとされています。
ちなみに残りの2つは、イタリアのチロルにあるレノンの土柱と、アメリカのロッキー山脈にあるブライスキャニオンの土柱。
まあ全部土柱なので世界三大奇勝というよりは、世界三大土柱ですよねもう。
これらが三大土柱と呼ばれる明確な根拠はありませんが、広範囲に渡って土柱が見られるところが世界でもこの3つしかないとのことらしいですよ。
阿波の土柱は上に登ることができ、夜にはライトアップもされるので、大勢で行って上から見る恐怖を体感し合えちゃうスポットとなっています。
自然景観で言えば、阿波市の南側には日本三大暴れ川の三男坊、四国三郎こと吉野川が流れています。
ちなみに長男は坂東太郎こと利根川、次男は筑紫次郎こと筑後川ですね。
この吉野川に浮かぶ善入寺島は、日本の川の中にある島に中でも最大のところ。
お隣の吉野川市と土地を半分ずつ分け合っています。
かつては人も住んでいましたが現在は田畑になっており、またお遍路の通り道でもあるので、その大きさを実感してはいかがでしょうか。
また、阿波市は弘法大師空海にまつわるお遍路で巡る、四国八十八箇所の寺院が4つもあるところでもあります。
7番〜10番の4箇所で、十楽寺、熊谷寺、法輪寺、切幡寺の4つ。
お遍路をしない人でも、気軽に訪れることができるおすすめの場所ですね。
最後に少し阿波市の名産品を。
阿波市の土成という地域では、たらいうどんというものが有名です。
この地で働く人たちが手間取らず、熱々のうどんを食べれるようにと作られた郷土料理。
その名の通り飯盆(はんぼ)と呼ばれる大きな木のたらいに、茹で汁もそのまま一緒にうどんを入れて、熱々のものをジンゾクと呼ばれる川魚でとった出汁につけて食べるという。
想像するだけでよだれが止まりませんね、お隣の香川県に負けてられないですな。
この土成周辺にお店が集まっているので、ぷらっと立ち寄るのもいいですね。
土柱という世界的なところから、たらいうどんという日本らしいものまで、どこか素朴さを感じさせる阿波市。
なんとここには鉄道がギリギリ走っていないのです。
南に位置する四国三郎を超えた先に、JR徳島線が走っているのです。
まあ旅行がてら来る人には、しっかり徳島自動車道は走っているので、どこかでレンタカーを借りて来るのも1つだと感じます。
最近ではレンタカーでお遍路を巡るのも認められてきているらしいので。
土柱近くの温泉もおすすめの、阿波市はいかがでしょうか。