徳島県 上勝町 -葉っぱビジネスとゼロ・ウェイスト宣言-

 

徳島県の上勝(かみかつ)町。

 

 

勝浦郡に属し、勝浦町、神山町、那賀町、佐那河内村に面しているところ。

「日本で最も美しい村連合」にも加盟しています。

聞き馴染みのない方も多いかとは思いますが、実はこの上勝町、世界から注目されている先進的な取り組みを行っているところでもあるのです。

そんな上勝町を今回は取り上げていきます。

 

 

 

 

 

ではさっそく、世界から注目を浴びている上勝町で、行われている取り組みを2つ紹介。

1つ目は、葉っぱビジネスというもの。

ちょっと高級な料亭やホテルで提供されている料理に、可愛くあしらわれた植物の葉っぱなどを見ることがあると思います。

主に日本料理とかに多いですかね。

俗に「つま」と呼ばれるものですが、これを現地で栽培・収穫し、加工して出荷するという一連の流れを担う事業のことを葉っぱビジネスと言います。

自然豊かな上勝町ならではの資源を活かしたものですよね。

 

 

 

株式会社いろどりという企業がこの葉っぱビジネスを行っているのですが、これの特筆すべき点は、単純にビジネスとして成立しているだけでなく、上勝町における雇用の創出もできているということなのです。

上勝町は人口減少および高齢化がどんどん進んでいる、いわば典型的な地方都市の国家的課題に直面しているところでもあります。

しかしながらその中で葉っぱビジネスが生まれたことにより、高齢者の方々にも働く場所を与えるきっかけとなったのです。

 

 

実際に働く高齢者の中には、現代のビジネスには不可欠なタブレット端末を駆使して、月収200万円、年収1000万円も稼いでいるスーパーおばあちゃんもいたりするんだとか。

 

 

その様子を描いた映画「人生、いろどり」も、見ごたえのある作品となっています。

一地方都市において利益も出しながら雇用も創出できたこの葉っぱビジネス、今後のさらなる発展に期待がかかるところです。

 

 

 

 

そしてもう1つの取り組みは、ゼロ・ウェイスト宣言

これは簡単に言うと、ゴミを一切出さないようにするというもので、世界的にもオーストラリアのキャンベラをはじめとした多くの都市で取り組みが見られています。

そのゼロ・ウェイスト宣言、日本で初めて取り組んだのは、上勝町なのです。

特に上勝町では、各家庭で出てきたゴミについて、生ゴミは堆肥化、その他のゴミは45項目という細かいところまで分別し、リサイクルできるようにしているんだとか。

一般的なゴミの分別は15種類ほどなので、それの3倍の項目となると本当に細かいですよね。

町内にはゴミ収集車が走っていないので、各自町内にあるごみステーションに持ち寄って処理をする方法をとっているとのこと。

ごみステーションは、地域の人々のコミュニケーションの場としても活用されており、まさに一石二鳥ではないでしょうか。

 

上勝町は2020年までにゴミを一切出さないよう頑張っており、その2020年という大事な節目に向けて新たなごみステーション「WHY(ワイ)」という、研究ラボや視察者向けの宿泊場所などが併設した、複合施設が建設中なんだとか。

今後のさらなる観光客の誘致にもつながる取り組みだと感じます。

 

 

 

 

 

 

他には見られない取り組みを行っている上勝町ですが、もちろん旅先としても十分なポテンシャルをもっているところです。

町の8〜9割が森林地帯ということで、その自然がもたらしてくれる景観の雄大さは計り知れません。

では次に上勝町のおすすめスポットをいくつか紹介。

 

 

 

 

まずは、棚田

上勝町には主に6つの棚田があり、自然な豊かな風景を私達に見せてくれます。

その中でも樫原の棚田は、日本の棚田百選にも選ばれており、徳島県で初めて国の重要文化財に登録されたところなのです。

また、乳酸発酵させて作られる上勝阿波晩茶発祥の地で、かおり風景百選にも選ばれている田野々の棚田

そして日本の里百選にも選ばれている八重地の棚田など、どれも見応えバッチリのところとなっています。

 

 

 

他にも、那賀町との境にあり、千年の森を有する、高丸山

巨石群と水苔が幻想的な風景を織りなしている、山犬嶽(やまいぬだけ)

日本一長い林道である剣山スーパー林道(87.7km)を起点に始まる、殿川内渓谷

春は桜、秋は紅葉の名所で、カヤックや釣りも楽しめる美愁湖を有する、正木ダム公園

徳島県の山々を一望できる穴場、大川原高原展望台

穴場清流スポット、雄淵(おんぶち)、雌淵(めんぶち)、天泊りの淵

町内唯一の温泉、月ヶ谷温泉など。

 

 

旅を楽しくさせてくれるスポットが満載かと思います。

 

 

 

 

 

 

以上、上勝町について紹介してきました。

見どころ満載なところはもちろんそうですが、先に述べた葉っぱビジネスとゼロ・ウェイスト宣言という取り組みに対して、地域住民が積極的に行うことが出来る環境を整えつつあるところは、他には見られないことだと感じました。

現状にあぐらをかかず、さらに先を見据えて環境を整えている姿勢も大事にしていますよね。

そんな上勝町に惹かれて、多くの視察や観光客、移住者も増えているということで、今後のさらなる上勝町の発展ぶりに期待がかかりますね。

 

 

 

 

最後にアクセスですが、上勝町には鉄道は残念ながら通っておりません。

JR徳島駅からバスに乗って約1時間半ほど乗れば、上勝町にアクセスできます。

アクセス面でのインフラがさらに整えば、間違いなく上勝町は賑わうことでしょうな。

 

 

 

スーパーおばあちゃんとゴミ分別のあり方を見に、上勝町に訪れてみては。

 

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