長崎県 島原市 -山々の正邪がもたらした水の都-

 

長崎県の島原市。

 

 

雲仙市、南島原市とともに有明海と島原湾に面した島原半島を構成する都市。

ちなみに有明海と島原湾の違いですが、島原湾の中でも北側の浅い部分を有明海と呼んでいるそうな。

 

島原といえば、ピンとくるのが「島原の乱」ですかね、またの名を「島原・天草一揆」とも。

当時、キリシタンを取り締まり、天候不順の中で飢饉が生じているにもかかわらず重税を課すなどといった農民に容赦ない幕藩軍と、それに反発した弱冠16歳の天草四郎時貞率いる農民軍との間に生じた反乱で、日本における農民一揆の中でも大規模なものだったとも言われています。

しかしながら、この反乱の主な舞台は南島原市の原城ですので、そのときに詳しくお届けいたしますね。

 

今回お届けする島原市。

先述した、島原の乱が全く関係ないのかと言われるとそうではありません。

 

島原市が誇る文化財である「島原城」、ここは原城の前に農民軍が籠城したとされています。

当時この島原城の建設にかさむ莫大な費用を重税として徴収しており、なんだかんだで反乱の一要因とも見て取れるのです。

そして城下町には、当時のまま残されている武家屋敷の町並みを感じることが出来ます。

2024年で築城400年、記念とすべきこの年に歴史を感じに行くのも良いのではないでしょうか。

 

また、島原市は「水の都」とも称されています。

日本名水百選にも選ばれるほどの水質を持つ、島原湧水群。

自由に持ち帰ることができる速魚川の湧き水や、商店街アーケードにも湧き水があるほど、市のいたるところに湧き水が。鯉もたくさん泳いでます。

この湧き水は、近くにそびえ立つ雲仙普賢岳による火山活動や、かつて多くの人命を奪うほどの災害で「島原大変肥後迷惑」とも言われている眉山の山体崩落によって生じた地割れによって生じているとのこと。

その影響で生じた白土湖(しらちこ)は、穏やかな雰囲気を醸し出しており、島原半島ジオパークのジオサイトとして認定されています。

 

島原市は島原城やその城下町をはじめとした文化的な側面で楽しむこともできる一方で、世界ジオパークである島原半島ジオパークを構成する一部を担うほど、自然的な景観も体感できるところではないかと感じました。

1990年に生じた普賢岳の噴火、それを後世に伝えるべく建てられた雲仙岳災害記念館。

豊富な湧き水を利用した、共同の洗い場、などなど。

文化と自然が上手く融合された、素晴らしい都市ではないでしょうか。

 

アクセスとしては、黄色がトレードマークの島原鉄道が諫早駅から海沿いを走るように伸びています。

島鉄に乗りながらみる景色は、さぞ美しいことやら。

特におすすめは大三東駅(おおみさき)。夕日と有明海の干潟がマッチして綺麗。

また、長崎空港からも直行バスが出ており、とても便利。

さらに、熊本市や福岡県大牟田市からもフェリーが出ており、約1時間の船旅を楽しむことができるんですね。

訪れる方法だけで何回でも楽しめる長崎の端っこ島原市、ぜひいかがでしょうか。

 

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