栃木県の野木町。
栃木県最南端に位置する、下都賀郡に属している小さな町。
他県との位置関係は、埼玉県や群馬県と隣接しているのかと思いきや、実は茨城県の古河市だけという。
予想以上に茨城県が西に伸びていることが分かります。
町内にはひっそりと渡良瀬川、そしてくっきりとハート型の谷中湖を中心に形成されている渡良瀬遊水地が位置しています。
2012年にラムサール条約にも登録されている渡良瀬遊水地は日本最大の遊水地とされ、栃木県をはじめ群馬県、茨城県、埼玉県にわたって形成されています。
そもそも遊水地とは、わざと河川を氾濫させるための土地のことを指し、これにより下流の水害などを軽減させる効果があるとも言われています。
過去の水害を教訓に形成された、関東に居住する人にとって欠かせない存在となっているのです。
ここでは都会に囲まれた豊かな自然を感じることができ、レンタサイクルも可能なので、レジャースポットしておすすめではないでしょうか。
また野木町の見どころといえば、野木町煉瓦窯。
屋根の中心が空高く伸びたこの特徴的な建物は、ドイツ人のフリードリヒ・ホフマンにより設計され、ホフマン式円形窯とも呼ばれています、なんと国の重要指定文化財なんです。
かつてホフマンが作り上げたこの窯は全国に約50も存在していたものの、現在では4つしか現存しておらず、特にこの野木町煉瓦窯はほとんど損傷のない、完全に形を保っている唯一のもの。
目にするだけでも十分に価値のあるものだと感じます。
他にも、かつて坂上田村麻呂が建立したとされる野木神社。
町の鳥であるかわいらしいフクロウをここでは見ることができ、とても貴重な場所です。
また、約1200年前に紀州の熊野大社から移築された、野渡の鎮守、熊野神社。
ここではささら獅子舞という伝統行事があり、主に子どもたちが主役で踊るというもの。
しかしながら少子化の影響で人手不足が生じ、伝統存続の危機に瀕しているのです。
野木町は、多くの人が聞いたこともない町かと思います。
しかし掘り下げていくと、レジャースポットや歴史を感じることができる場所も多く見受けられたかと。
東京からJR上野東京ライン、東北線で一時間ちょっとで訪れることができるこの野木町に、一度訪れてみてはいかがでしょうか。