京都府の長岡京市。
京都府の南部に位置し、京都市西京区、伏見区、向日市、大崎町、そして大阪府島本町に面しているところ。
長岡京という名前からも分かるように、かつての日本の都がそのまま現在も地名として残っています。
今回はそんな長岡京市について、掘り下げていきます。
784年、この年号はかつて日本の都が長岡京に置かれた年です。
一般的によく知られているのが、710年に現在の奈良県奈良市に平城京、そして794年に現在の京都府京都市に平安京が置かれていたことですよね。
実はその約80年の間にも何度か遷都し、そのうちの一つが長岡京なのです。
たった10年という短い期間でしたが、確かに都はここにあったのです。
しかしながらこの長岡京、当時の中心地である長岡宮が置かれていたところは、実はお隣の向日市。
長岡京市なのに長岡京は関係ないじゃないかと思う方がいらっしゃるかもしれませんが、ご心配なく。
長岡京として置かれたのが現在の長岡京市、向日市、大山崎町、京都市で、そしてたまたま政治の中心である長岡宮が向日市に位置していたということです。
長岡京市が一切長岡京と関係していないということではありませんので、安心してくださいね。
かつて都が置かれていたというくらいですので、多くの人類がこの地に居住していたのでしょう。
長岡京市では、古くから伝わる寺社仏閣や遺跡などが多く見られています。
それらを中心に、取り上げていきます。
まずは、長岡天満宮。
天満宮ということは、そうです、菅原道真公が祀られているところですね。
かつて彼が在原業平とこの地に訪れ管弦や詩歌を楽しみ、去るときに都を振り返って名残惜しんだことから、見返り天神とも呼ばれています。
石でできた大鳥居、そこを抜けると大きな八条ヶ池、そして赤く立派な社殿が私たちを出迎えてくれます。
阪急京都線の長岡天神駅より歩いていける、長岡京市では是非足を運んでおきたいところですね。
次に、大慈山乙訓寺。
この地域では最古の寺で、聖徳太子が開山したとされるところ。
長岡京の都づくりの中心であった藤原種継の暗殺容疑をかけられた早良親王が幽閉されたり、空海が別当を務めたり、そんな空海が最長とここで密会したりなど、多くのトピックスにあふれているところでもあります。
4月下旬から5月上旬にかけてはぼたんまつりが開催され、牡丹が咲き乱れており見頃を迎えるのでおすすめ。
そして少し山側に位置している、柳谷観音 立願山(りゅうがんざん)楊谷寺。
ひっそりと佇む穴場スポットですね。
開山は京都市の清水寺と同じ、延鎮上人。
ここは眼病に効く独鈷水(おこうずい・どっこすい)が湧いており、眼の観音様とも言われています。
6月から7月にかけて、あじさいが咲き乱れ見頃を迎えるのでおすすめですよ。
この楊谷寺と並んで西山三山と称されるところが、光明寺。
ちなみにもう一つは京都市の善峯寺です。
西山浄土宗の総本山で、楊谷寺はその末寺でもあります。
ここはあの法然上人が初めて念仏を唱えたところとしても知られています。
そんな彼が眠る御本廟もここにあります。
11月から12月にかけては本当に紅葉が綺麗で、この辺りでは頭一つ抜きん出ているとか。
もちろん見どころは寺社仏閣だけではありません。
ここには明智光秀の娘である明智玉(珠)、またの名を細川ガラシャゆかりの地があります。
それは、勝竜寺城公園。
名前だけでもかっこよさそうな感じがにじみ出ていますね。
日本の歴史公園100選にも選ばれているところでもあります。
ここはかつて細川頼春が足利尊氏の名によって築城し、その後ガラシャが細川忠興に嫁ぎ、新婚時代をここで過ごしたんだとか。
意外と穴場スポットなので、ぜひとも訪れておきたいところ。
また長岡京市は遺跡の数も大小合わせて約260とたくさん発見されているところでもあります。
そんな中でもひときわ目立つのが、JR京都線沿いに位置する恵解山(いげのやま)古墳。
全長128mの前方後円墳で、現在は改修も終わり恵解山古墳公園として開放されているので、埴輪列や葺石を実際に見て歴史を感じちゃいましょう。
ざっくりと長岡京市について、歴史的な背景を中心に紹介してきました。
他にも阪急京都線西山天王山駅から歩いて気軽に行けるサントリービール工場があったり、知る人ぞ知るたけのこの名産地でもあります。
特にたけのこに関しては、市内に直売所や食事処もあり、それらが書かれたたけのこマップを観光協会が作っているので、それを見ながらブラブラしても面白いかもしれませんね。
アクセスですが、長岡京市には、阪急京都線とJR京都線が通っております。
特に阪急電車は長岡天神駅に特急が停まるので、意外とスイスイと行けてしまうのではないでしょうか。
また名神高速道路も通っているので、車でのアクセスも比較的容易ではないかと思いますね。
たけのこを味わいながら歴史を感じに、長岡京市へ訪れてみては。