福岡県の築上町。
県の東部に位置し、みやこ町、行橋市、豊前市、大分県中津市に隣接しているところ。
ここにはあの菅原道真が九州の地へ左遷されたときに、最初にたどり着いたとされる海岸もあります。
そんな築上町、いったいどんなところなのでしょうか。
菅原道真の話題が出たので、まずはその話から。
901年、左遷された彼がたどり着いたとされるのが、現在の築上町にある浜の宮海岸。
現在はアサリの潮干狩りの名所として、3〜5月のシーズンになると大勢の人々で賑わいます。
この浜辺の近くに、実際に彼が祀られている神社もあります。
それは、網敷天満宮。
境内には牛の像と梅の花があり、2月の開花最盛時期には、しいだ梅まつりが開催されます。
全国にもいくつか網敷天満宮はあるので、それぞれを巡ってみるのもいいかもしれませんね。
またこのあたりの地は、黒田官兵衛の最大の宿敵とも呼ばれた宇都宮鎮房(しげふさ)、またの名を城井(きい)鎮房のゆかりの地でもあります。
早いうちからこの築上町の西部に位置する城井エリアを治めてきましたが、伊予国へ転封を命じられ、その代わりにこの地を治めることになった黒田官兵衛に対して反感を持ったそう。
転封の命に逆らい、最後まで籠城しながらこの地で生涯を終えたんだとか。
そんな彼のゆかりの地が築上町にはいくつも残っており、それらを紹介。
まずは、城井ノ上(きいのこ)城址。
山奥に位置し、谷の地形をうまく利用した難攻不落の城として、かつて城が存在していたことが伺えるところとなっています。
ちょっとしたハイキング気分も味わえるので、おすすめです。
次に、月光山天徳寺。
ここは宇都宮氏の菩提寺で、鎮房の肖像画や兜が飾られています。
そして、旧藏内邸。
ここは宇都宮氏の家臣であった、日本の近代産業を支えた筑豊炭田によって富を得た蔵内家の邸宅で、現在は一般公開されています。
隣りにある貴船神社と一体になっているので、そこも併せて見て回るのがおすすめですね。
これらゆかりの地をめぐるコースも町のホームページにあるので、参考にして築上町を楽しむのもいいかもしれません。
そんな歴史的な雰囲気を味わえる築上町ですが、自然も豊かで見どころがたくさんあります。
まずは、鬼の雁木の滝。
二筋の小ぶりな滝ですが、しっかりとマイナスイオンを浴びることができる隠れスポットですね。
次に、牧の原(まきのはる)キャンプ場。
5月〜9月しか営業していない、自然に溢れたところ。
エリア自体が耶馬日田英彦山国定公園に指定されており、その中で楽しむキャンプはまさに格別。
併設しているまごちの里という物産館で、キャンプに必要なものや食材も揃ってしまうので、併せて利用しちゃいましょう。
最後に、物産館メタセの杜。
ここでは地元の新鮮な食材を扱っており、ここでしか買えないものもあります。
個人的なおすすめは、特産物の寒田(さわだ)あられ。
赤・黄・緑・白・黒の5色で色付けされた、かわいらしいお菓子ですよ。
隣りにある京築ブランド館では、手作りの小物や家具などが置いてあり、また違った雰囲気を味わうことができます。
そしてこのメタセという名前の由来になった、メタセコイアの木がこれらの周りの広大な敷地に広がっています。
日本各地にメタセコイアの絶景スポットがありますが、ここも負けてはいませんよ。
散策コースもあるので、買い物がてら自然を感じてみてもいいかもしれません。
他にも、窯跡が発見された、船迫窯跡公園。
隊員食堂カレーが人気の、航空自衛隊築上基地。
日本の巨木ランキング第4位の、本庄の大クス。
リノベーションされた古民家食庵、伝法寺庄など。
一つ一つに着目すると、面白そうなところがたくさん出てきますね。
以上、築上町を紹介してきました。
意外な人物とのゆかりがあったりなど、自然の中に歴史をひしひしと感じるところではないかと思いますね。
特に個人的には、メタセの杜でメタセコイアの木々を体全身で感じてもらいたいですね。
充実した物産館と公園が一緒になってメタセコイアを見ることができるところも、他ではあまり見られないので、非常におすすめですな。
アクセスですが、JR日豊本線が通っています。
築城駅と椎田駅が最寄り駅となっているので、目的に合わせて利用してみるといいでしょう。
車なら北九州空港から東九州自動車道の築城ICを経由して、1時間ほどでアクセスが可能です。
菅原道真が流れ訪れたように、築上町に訪れてみては。