北海道の中札内村。
道東の河西郡に属し、帯広市、新ひだか町、大樹町、新冠町、更別村と隣接しているところ。
北海道の背骨とも言われる日高山脈の裾野に位置し、東西に札内川が流れ、日高山脈襟裳国定公園の一部でもあるという、まさに自然の宝庫。
さらに日本で最も美しい村連合にも加盟しています。
アイヌ語で「乾いた川」を意味するサチナイと、札内川の中流に位置していることが村名の由来です。
今回はそんな中札内村を紹介していきますよ。
まずは中札内村の自然について。
主に自然が溢れているのが西部で、平均水質ランキングで何度も一位に輝いた札内川が織りなす景観が見事です。
特に中札内村エリアでは、日本でもここと長野県松本市の梓川でしか見ることができない非常に珍しい、ケショウヤナギの群生は見応え充分です。
他にも、かつて造られた農協ダムが変貌を遂げた、ピョウタンの滝。
それを間近で見られる、札内川園地キャンプ場。
南北150kmにも渡る日高山脈について学べる、日高山脈山岳センター。
ダムの守り神サツナイ竜が鎮座する、ひょうたん沢公園など。
自然を味わうにはうってつけのエリアですね。
自然について紹介してきましたが、こんなものではありません。
中札内村には、自然とは別に売り出していることがあります。
それは、アートです。
まず紹介するのが、中札内美術館。
ここは145000㎡もの広大な敷地に、いくつもの美術館やレストランが点在して構成されている美術館で、あのお菓子の老舗である六花亭の施設でもあります。
美術館は全部で5つ。
北海道の風景が展示された、相原求一朗美術館。
天井画や襖絵が見ごたえのある、小泉淳作美術館。
十勝の風景が懐かしさを感じさせる、真野正美作品館。
2020年に六花の森から移転した、百瀬智宏美術館。
二十歳の輪郭の作品が見られる、北の大地美術館。
それに加えてレストランポロシリと、自然と調和した雰囲気が素晴らしいです。
続いて、六花の森。
その名の通り六花亭の施設で、より草花といった自然を重視したところ。
こちらにも美術館・作品館がいくつもあります。
味わい深いイラストが特徴的な、安西水丸作品館。
西洋絵画の伝統を踏襲した作品が並ぶ、小川游作品館。
六花亭の花柄包装紙の生まれ、坂本直行記念館。
他にも六花亭のお菓子やグッズが立ち並ぶ六’CAFE(ロッカフェ)、青木三四郎の彫刻作品の数々など、一日で回りきれないほどのボリューム感がありますよ。
以上、ざっくりと中札内村について紹介してきました。
上記以外にも、畑作や畜産を主要産業とする、とかち大平原地区(十勝市、芽室町、中札内村)を管理するとかち田園空間博物館の豆資料館「ビーンズ邸」があったり、かつて一世を風靡した生キャラメルが有名な花畑牧場も位置しているという、色々と事欠かない中札内村。
広大な敷地を生かした農業や畜産といった基幹産業が村を支えており、特にそのままえだ豆やコクワワインなどといったこの地ならではの特産物も押さえておきたいところ。
アートの一面に関しても、1996年から開催されてきた絵画コンテスト「北の大地ビエンナーレ」が2015年に終了したこともあり、その勢いは落ち着きつつあります。
しかしながら、六花亭という世界に通用するほどのブランドの文化事業や中札内村固有の農業の強みを活かして、今後も頑張っていってもらいたいものです。
アクセスですが、あいにく鉄道は通っていません。
JR根室本線を駆使して帯広駅まで行き、そこから十勝バスで約40分、車なら約30分でアクセスができるので、チェックしておきましょう。
また、帯広空港が近くにあるので、東京の羽田空港しか発着していませんが、利用するのもいいかもしれません。
六花亭のブランド力を実感しに、中札内村に訪れてみては。