佐賀県 有田町 -みかんじゃなくて焼き物の産地-

 

佐賀県の有田町。

 

 

西松浦郡に属し、伊万里市、武雄市、長崎県の佐世保市、波佐見町と隣接しているところ。

有田という地名を聞けば、多くの人が思い出すのが有田みかんや有田焼ですね。

しかし有田みかんは有田町とは関係なく、和歌山県有田市の名産品なのです。

今回はそんな有田町を取り上げていきますよ。

 

 

 

 

 

 

まずはせっかくなので、すでに出てきた有田焼について。

柿右衛門様式金襴手(きんらんで)様式といった技術で知られている有田焼。

そもそも有田町は、日本磁器発祥の地として知られるやきものの町です。

1600年代に朝鮮より佐賀の地に連れてこられた李参平という陶工が、良質な磁石鉱である泉山磁石場を発見し、それこそが有田焼のはじまりと言われています。

その後、有田焼はこの地の一大産業となり、東インド会社を通じて各国に広まり、今では世界中から注目される焼き物となりました。

まさに李参平は有田町のルーツを生み出した陶祖ですね。

彼を偲んだ巨大な石碑が町の高台にあり、そこから街中を見渡すことが出来るので訪れてみるのも良いかもしれません。

 

 

そんな有田町の窯元や作業場が多く見られる内山というエリアは重要伝統的建造物群保存地区として指定されており、和風から洋風の建物が見られ古い町並みを感じることが出来ます。

擬洋風建築の旧田代家西洋館を中心とした町並みは本当に見ごたえがあり、ガイドと巡ることでその楽しさが一段と増しますよ。

 

 

そして有田町はなんと、「日本磁器のふるさと 肥前 -百花繚乱のやきもの散歩-」として日本遺産に2016年に登録されました。

有田町を中心に、肥前地域にある伊万里市、唐津市、武雄市、嬉野市、長崎県の佐世保市、平戸市、波佐見町と共に登録され、それぞれでその地に根付いた焼き物を味わうことが出来ます。

この地域は肥前やきもの圏という、まさに日本遺産に合わせた連携を見せており、肥前やきものでおもてなしをするというコンセプトをもとに活動をしているので、これを味わいに訪れるのも良いかもしれませんね。

 

 

 

 

このような歴史があることで有田焼は誕生したということもあり、町中には有田焼および磁器にまつわる施設が多く見られるので、ざっくりと紹介。

 

まずは、有田ポーセリンパーク

ここはドイツのドレスデンツツヴィンガー宮殿を再現した建物が立派なところ。

有田焼のギャラリーや酒造、またバロック庭園を見ることができ、見応え充分なところとなっています。

 

 

次に、チャイナ・オン・ザ・パーク

有田焼の会社である深川製磁により運営されている陶磁器のテーマパーク。

レストランやカフェが敷地内にあり、また中では絵付けの体験などができます。

深川製磁や有田焼のことについて十分学べるところとなっているので、ぜひ訪れてもらいたいところ。

 

 

そして、佐賀県立九州陶磁文化館

ここは有田焼にとどまらず九州各地の焼き物が展示されているところ。

焼き物好きには必見なので、行くしかないですね。

 

 

他にも有田焼にまつわる見どころが多数あります。

焼き物倉庫を改築した、有田陶磁美術館

宇宙の世界を再現した、原榮三郎美術館

有田焼の老舗である香蘭社が運営する、小陶磁器陳列館

有田陶器市発祥の地、桂雲寺

登り窯で使用された耐火レンガを使用した、トンバイ塀など。

 

 

 

 

 

 

もちろん焼き物以外にも必見のスポットがたくさんあるので、一気に紹介。

 

まずは、岳(たけ)の棚田

日本の棚田百選にも選ばれており、棚田オーダー制度も採用しているところ。

 

次に、竜門峡

山奥にひっそり佇む渓流。

この辺り一帯は水源の森百選に選ばれており、またここを流れる水は日本名水百選に選ばれるほど清らかで、この水で育った鯉の料理が絶品と有名。

 

そして、ヌルヌル有田温泉

その名の通り泉質がヌルヌルで、これを求めてくる人も絶えないんだとか。

宿泊施設はないですが、キャンピングカーで寝泊まりするRVパークが併設していますよ。

 

 

他にも

秘色の湖と呼ばれた、有田ダム

竜門峡と共に水源の森百選に指定された登山ができる、黒髪山

古民家再生プランを提案する、小路(しゅうじ)庵

鳥居や狛犬などすべてが磁器でできている、陶山神社

ちょっとした散策ができる歴史あふれるところ、唐船城址などなど。

焼き物のついでに見て回るのがおすすめですよ。

 

 

 

 

 

 

以上、早足でしたが有田町を紹介してきました。

町の名前でもある有田焼の誕生から長い年月を経て、現在でも町中ではここで紹介できていない多くのミュージアムやギャラリーが見られ、有田町と有田焼はもはや切っても切れない関係となっています。

その有田焼という資源を活かしたまちづくりは、佐賀県を誇るものだと感じます。

そして肥前やきもの圏といった、焼き物を肥前一体として連携し、日本遺産として登録され新たな需要を生みだすような取り組みも見られ、自分のこだわりのモノを創ってみたいという方にはうってつけの場所ではないでしょうか。

 

 

 

 

アクセスですが、JR佐世保線松浦鉄道が通っています。

JR有田駅まで、長崎空港や佐賀空港からバスや特急を乗り継いで約1時間かからない程度でアクセスできますよ。

松浦鉄道は有田駅から平戸を周り、佐世保駅を結ぶロマンあふれる鉄道なので、この機会に乗ってみるのも良いかもしれません。

 

 

 

有田焼の真髄を見に、有田町へ訪れてみては。