群馬県の渋川市。
前橋市、高崎市、沼田市、中之条町、東吾妻町、吉岡町、昭和村、高山村に面しているところで、ほぼ群馬県の中央に位置しています。
東に赤城山、西に榛名山、北に子持山と雄大な山々に囲まれており、自然も多く見られるところとなっています。
日本のへそとも呼ばれたりしていますが、他にも兵庫県西脇市や栃木県佐野市など、地理的な位置関係で日本のへそを自称しているところがいくつもあるので、なんとも言えないですな。
今回はそんな渋川市について紹介していきますよ。
渋川という地名を聞いて、温泉マニアなら即答できるところ。
そう、渋川伊香保温泉(以下、伊香保温泉)ですね。
あまりにも伊香保という名前が強すぎて、1つの市町村かと思ってしまうほどですが、渋川市の代表的観光地で、群馬県では草津温泉に並ぶ2大温泉地ですね。
日本における温泉都市計画第一号のところとしても知られています。
泉質としては黄金の湯と白金の湯があり、旅館によって異なるのでそれで選んでみてもいいですね。
約400年の歴史があるということで、そのシンボル的な存在として当時から目立つのが、石段街です。
きれいな一直線で並ぶ石段は迫力があり、多くの人を魅了してきたことでしょう。
石段の一部には与謝野晶子の詩が入っているので、探してみても良いかもしれません。
では、伊香保温泉におけるおすすめスポットを紹介。
まずは、伊香保露天風呂。
ここは伊香保温泉の中でも奥まったところにある秘湯。
黄金の湯を自然を感じながらじっくり楽しむことができますよ。
洗い場や宿泊機能はないので、事前に調べてから行くのをおすすめします。
近くには河鹿橋という真っ赤な橋があり、紅葉の時期は最高にマッチするので合わせて訪れておきたいところです。
次に、伊香保ロープウェイ。
地上の不如帰駅から標高955mにある見晴駅を結ぶロープウェイで、頂上のときめきデッキからは渋川市の町並みを一望できます。
そのまま伊香保森林公園に入ることができるので、トレッキングを楽しみたい方は利用しても良いかも。
そして、ハワイ王国公使別邸。
ここは日本に現存する数少ないハワイ王国の建物で、明治時代に伊香保に慣れ親しんだハワイ王国弁理公使であるロバート・ウォーカー・アルウィンの別荘の一部なのです。
今では渋川市とハワイ州は姉妹都市提携を結び、夏場にはハワイアンフェスティバルが開催されているということで、この別邸が架け橋となったことは言うまでもありません。
無料で見学ができるので、伊香保温泉に訪れたときはぜひ覗いてみましょう。
他にも、伊香保温泉エリアの見どころとして
伊香保を舞台とした『不如帰』の著者・徳富蘆花の記念館、徳冨蘆花記念文学館。
大正ロマンを代表する画家・竹久夢二の記念館、竹久夢二伊香保記念館。
幻の画家・小林かいちの作品を見ることができる、保科美術館。
切り絵の鑑賞や体験ができる、伊香保切り絵美術館。
石段の最上段にあり縁結びや子宝のご利益がある、伊香保神社。
かつてこの地を走っていたチンチン電車が展示されている、峠の公園など。
これらを回るだけでも、伊香保温泉に連泊する価値はありますね。
もちろん伊香保温泉以外のエリアにも見どころはたくさんあります。
それらを一気に紹介。
まずは温泉から。
北部に位置する、小野上温泉。
小野上温泉センターやさちのゆなど、気軽に入ることができる温泉が魅力的。
JR吾妻線の小野上温泉駅からすぐなので、アクセス的にも言うことなしですな。
次に少し西にある、金島温泉。
日帰り温泉の富貴の湯が非常におすすめ。
そして、北橘(きたたちばな)温泉。
市の南部に位置する利根川沿いの温泉。
抜群のロケーションを臨めるばんどうの湯や、たちばなの郷城山といった施設があり後者は宿泊もできます。
最後に白井温泉。
渋川市のちょうど中央に位置し、ここのこもちの湯は1時間250円とサクッと利用したい方におすすめ。
伊香保温泉以外にも充実している渋川市の温泉。
では次に紹介するのが、ミュージアムの数々。
なかでも今回ピックアップしたいところが、ハラミュージアムアーク。
ここは東京都品川区にある原美術館の別館で、本館とはまた異なる顔を見せてくれます。
広大な緑いっぱいの敷地に広がる世界の現代芸術を中心に展示しており、磯崎新氏の設計である館および特別展示室の觀海庵も合わせてすべてが魅力的なところ。
個人的には渋川市の中でダントツで楽しめるところではないでしょうか。
隣接した伊香保グリーン牧場とのセット券もあるので、一緒に楽しんでみるのも良いかもしれませんよ。
他にも
アール・ヌーヴォーの巨匠・エミール・ガレやドームの作品が常設している、群馬ガラス工芸美術館。
シャンソン好きにはたまらない、日本シャンソン館。
彫刻家・桑原巨守(ひろもり)の作品が常設している、渋川市美術館・桑原巨守彫刻美術館。
これらのミュージアムおよび先述した徳富蘆花・竹久夢二・保科美術館、そして伊香保グリーン牧場とアミューズメントパークの渋川スカイランドパーク、以上の9つの施設を半額以下で巡ることができるなんともお得なチケットがあるのです。
それが、アルテナード周遊倶楽部。
日本シャンソン館と徳冨蘆花記念文学館を結ぶ9kmの県道の愛称をアルテナード(アルテ:イタリア語で芸術、ナード:英語のプロムナード(散歩)よりもじったもの)とし、広く巡ってもらおうというもの。
通常7,950円のところが3,500円で購入でき、有効期限は1年間。
渋川市および伊香保温泉に行こうとしている方は絶対買ったほうがお得ですよ。
以上、渋川市について駆け足でお伝えしてきました。
温泉やミュージアム以外にも
仏光山法水寺や五徳山水澤観世音といった寺社仏閣の数々。
さくらんぼやブルーベリー、いちごやりんごの体験ができるフルーツ農園の数々。
日本の滝百選に選ばれた、棚下の不動滝。
行幸田のそば畑。
赤城山の麓に位置する色とりどりの整備された庭園、赤城自然園など。
まだまだ盛りだくさんの渋川市。
日本三大うどんの1つとしても取り上げられる水沢うどんも渋川市の名産ということもあり、話題に尽きることがなさすぎます。
アルテナードといった周遊パスや、隣の吉岡町や榛東村とDMOを立ち上げるなどといった周遊型の観光を積極的に行っており、観光客を留めて楽しんでもらうための施策や資源に投資を惜しまない姿勢が見て取れますね。
渋川市の今後の発展にただただ期待がかかりますな。
アクセスですが、JR上越線と吾妻線が通っております。
渋川市を存分に楽しんでもらうなら、関越自動車道が通っているので自動車が強いですが、バスで利用できる伊香保温泉周遊フリー乗車券が販売されているので、渋川駅を中心にバスで巡るのも良いかもしれません。
自分に合ったアクセスで思う存分楽しんじゃいましょう。
ケーブルテレビ発祥の地・伊香保温泉のある渋川市に、訪れてみては。