岡山県の真庭市。
県北中部に位置し、高梁市、津山市、新見市、鏡野町、吉備中央町、美咲町、新庄村、鳥取県の倉吉市、江府町、三朝町と面するところ。
県内一の面積を誇り、蒜山高原や湯原温泉といった名所があることでも知られていますが、他にもまだまだ穴場なスポットも数多く存在します。
今回はそんな真庭市について、エリアごとに分けながら紹介していきます。
まずは南部の北房・落合エリア。
ここは北房ぶり市という、昔は山間地域で珍しかったぶりを「正月くらいは」ということで流通を許可したことが始まりの伝統行事が有名で、毎年2月の第1日曜日は県内外から多くの人で賑わいます。
他にもこのエリアは、鍾乳洞とホタル、そして桜の名所としても知られており、それらにまつわるスポットから紹介。
まずは鍾乳洞から。
ここには備中鍾乳穴(かなちあな)という、日本最古とも称される鍾乳洞があります。
高さ3m、直径5mの大石筍「洞内富士」や、22階層の鍾乳石から形成される「五重の塔」など、見ごたえのある自然の産物を見ることができます。
他にも夏場にはヒメホタルが見られる諏訪の穴や、その下流に位置する井弥の穴と3つの鍾乳洞があるので、一気に訪れたいところですね。
次にホタルについてですが、ほたるの里と呼ばれるほど、ホタルの代表的な生息地となっている北房エリア。
先述した諏訪の穴もその1つで、他にも北房ほたる公園といった、自然溢れた環境で夏場はホタルを見る事ができるので、夏の風物詩を堪能しちゃいましょう。
そしてこのエリア一番の見所は、桜の木ではないでしょうか。
醍醐桜と呼ばれる一本桜は、見るものすべてを圧巻させる佇まいで、まさに真庭市の象徴とも言える存在。
また、日野上しだれ桜という桜も、醍醐桜よりは知名度や迫力が劣りますが、密かに賑わいを見せているところ。
桜以外にも、本山寺の紅葉や川東公園の真っ赤な彼岸花、コスモス広場など、四季折々の植物を目のあたりにできるので、ぜひとも立ち寄っておきたいところですな。
次に紹介するのがすぐ北に位置する、勝山・久世エリア。
市内唯一の鉄道であるJR姫新線がこのエリアに沿って横断しており、まさに真庭市の中心街的存在なところ。
ここでぜひとも見ていただきたいのが、かつて出雲街道の宿場町として栄えた勝山で見られるその町並み。
勝山町並み保存地区として指定され、のれんの町としても親しまれています。
色とりどり様々な模様をしたのれんが多くの建物の軒先で見ることができ、それだけでも十分に楽しむことができます。
こののれんを製造している「ひのき草木染織工房」をはじめ、「御前酒蔵元 辻本店」といった全国的に知名度の高い日本酒の蔵元などを町並みの中で見ることができ、その一体とした雰囲気を味わっていただきたいですね。
また、勝山・久世エリアがもたらす自然も必見です。
ここで紹介したいのが、神庭(かんば)の滝。
日本百景及び日本の滝百選にも選ばれるほどの迫力ある滝で、その落差は約110m。
野生の猿がそこらじゅうにいるので、気をつけながらマイナスイオンを浴びたいところ。
他にも、自然の産物である龍宮岩や、鬼の穴と言われる洞窟。
アートを共有するモダンな施設、勝山文化往来館ひしお。
ファミリア創業者である坂野惇子ゆかりの場所、勝山藩主三浦家別邸。
ルネサンス様式としては珍しい木造建築の、旧遷喬尋常小学校。
別名「版画の寺」と呼ばれている、毎来寺など。
それぞれでとても歴史溢れた雰囲気を感じることができますよ。
そしてさらに北上すると現れるのが、湯原エリア。
湯原という地名を聞けばピンとくる方もいるかも知れません。
そうです、あの岡山県を代表する温泉地である湯原温泉があるところです。
県内の湯郷・奥津と共に、美作三湯としても知られていますね。
そんな湯原温泉を少し掘り下げていきます。
湯原温泉の特徴は、なんといっても15ある泉源すべてが自噴泉であるということ。
自然の力によって湧き出るアルカリ性の温泉は、もう格別です。
特にその泉質を楽しめるのが、砂湯ではないでしょうか。
露天風呂番付で西の横綱に輝いた砂湯は、自然に包まれた雰囲気が魅力的な天然の混浴露天風呂。
清掃時間を除いて、基本的に24時間いつでも入浴ができるとのことで、湯原温泉に来たら絶対入っておきたいですね。
もちろん温泉だけではなく、他にもおすすめしたいものがあります。
それが、湯腹名物「はんざき」。
何だそれはという感じですが、これは湯原エリアで呼ばれているオオサンショウウオの別名です。
由来としては、オオサンショウウオが半分に裂けても行きられるほどの生命力があることから、はんざきとなったとか。
何とも言えない由来ですが、はんざきにまつわるものが多くあるのも事実で、はんざきを実際に展示しているはんざきセンターや、この地に伝わるはんざき祭りなど、まさに湯原エリアの守り神的存在と言っても過言ではありませんな。
他にも、温泉の歴史やスリッパ卓球が楽しめる、湯原温泉ミュージアム。
中国地方最大のダム湖である、湯原ダム湖。
下湯原温泉が併設している、湯の駅ひまわり館など。
リラックスしてくつろげること間違いなしです。
そして最後に紹介したいのが、鳥取県に隣接し最北部に位置する、蒜山(ひるぜん)エリア。
言わずと知れた地名だと思いますね、ただ漢字だと意外と読めない人も多いかも。
ここは蒜山高原を中心として、様々なジャンルの楽しみ方ができる施設や自然が盛りだくさん。
そんな蒜山エリアを、かいつまんで取り上げていきます。
まず簡単に蒜山エリアについて紹介すると、蒜山というのは、鳥取県倉吉市と真庭市に跨る上蒜山・中蒜山・下蒜山の三山を総称した名前で、蒜山三座とも呼ばれています。
そしてお隣の大山などによる火山活動で湖面が干上がることによって形成されたのが、蒜山高原なんだとか。
蒜山エリアでは、そんな自然景観を存分に活かした魅力的な場所がたくさんあります。
ひるぜんジャージーランドや蒜山ホースパーク、蒜山タンチョウの里では、日本最大級のジャージー牛産地ならではのジャージー牛や動物などとふれあいながら、名物のひるぜん焼そばやジャージー牛ソフトを頂け、家族や大勢で思う存分に楽しめるところとなっています。
また近くのヒルゼン高原センタージョイフルパークは、周りとは打って変わって観覧車やメリーゴーランドといったアミューズメントパーク的要素を兼ね備えた施設となっており、合わせて訪れておきたいところ。
さらに、東側の鏡野町付近の津黒エリアでは、津黒高原スキー場や森林活用型アウトドアパークとして知られている冒険の森など、アクティビティに富んだエリアもあります。
ここまでだけでも十分に楽しむことができる蒜山エリアですが、この他にも、
名水百選にも選ばれた、塩釜の冷泉。
神秘的な光景を目のあたりにできる、山乗渓谷と不動滝。
庭園だけでなく体験型交流施設としても利用される、蒜山ハーブガーデンハービル。
絶景パノラマをほしいままにできる、鬼女台展望所。
紅葉で有名な徳山神社や、国指定重要無形民俗文化財である大宮踊が伝わる福王寺、そんな大宮踊について学ぶことができる、蒜山郷土博物館。
日本一の石鳥居を持つ、茅部神社など。
どれも訪れる価値があると感じるところばかりです。
以上、真庭市をざっくりと紹介してきました。
まだ美甘エリアという西側のエリアが紹介できていませんが、ここはグリーンツーリズムが盛んな、主にお隣の新庄村と合わせて紹介されるところで、ここで軽く触れるだけにしておきます。
それにしても、観光資源に溢れかえってると思いませんか。
温泉から牧場、古い町並みにレジャースポットなど、誰が来ても楽しめる要素しかない気がして仕方がありません。
特産品としては、蒜山大根や郷原漆器など、まだまだ紹介できていないものが山程ありますし。
特に個人的に感銘を受けたのが、先述したそれぞれのエリアで、しっかりとレンタサイクルができることですね、ここまで整備されている側面を考えると、本当に真庭市が観光面に注力していることがひしひしと伝わってきます。
そんな真庭市のエピソードとしてこれまた興味深いのが、蒜山三座と蒜山高原は大山隠岐国立公園に指定されていますが、実際には国立公園という認識が世間一般に広まっていないということで、最近になって市をあげて蒜山エリアを国立公園蒜山と呼称するようになったという話。
しっかり環境省とも協議を重ねた結果ということで、いかに真庭市を全国的に知ってもらいたいか、その気概が感じられましたね。
さらに強調してここで伝えたいのが、真庭市は以前から里山資本主義に基づいてさまざまな事業を行っており、国内でも先進的な取り組みを行ってきているバイオマスタウンの1つです。
具体的には、木質バイオマス資源の活用や生ゴミの資源化といった取り組み、また「顔の見える産業観光」をコンセプトとしたバイオマスツアーなど、持続可能な社会を目指すための取り組みが実施されているのです。
そして近年、真庭市は「SDCs未来都市」として認定され、地域エネルギーの自給率を2030年までに100%を目指すという目標を掲げており、さらなる飛躍を見せてくれること間違いなしだと感じます。
まさに岡山県を代表する都市だと、個人的に実感しますな。
最後にアクセスですが、鉄道はJR姫新線が通っています。
勝山・久世エリアには鉄道でのアクセスが容易ですが、蒜山や湯原方面になると、個人的には車のほうが利便性はいいかと感じます。
中国自動車道と米子自動車道が通っているので、ぜひとも活用しちゃいましょう。
多くの体験が待っている、真庭市へ訪れてみては。
“岡山県 真庭市 -西の横綱バイオマスタウン-” への1件の返信
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