神奈川県の鎌倉市。
四方を山と海に囲まれている、歴史あふれるところ。
かつては幕府も開かれており、その名残が随所に見られます。
鎌倉大仏のイメージが強い鎌倉市、いったいどのようなところなのでしょうか。
鎌倉市はやっぱり、大仏と言った寺社仏閣のイメージが強いですよね。
それもそのはず、名の知れた寺社仏閣の数が多く、それらを巡るモデルコースもあったりなど、鎌倉市とは切っても切れない関係となっています。
ということでさっそく、寺社仏閣の数々を中心にエリアごとで紹介していきます。
まずは北鎌倉エリア。
鎌倉市の玄関口であるJR大船駅の次、北鎌倉駅を中心としたエリアで、このあたりから南の鎌倉中心街にかけて寺社仏閣が徐々に見られてきます。
特に北鎌倉エリアでの名刹は、鎌倉五山の第一位である建長寺や第二位の円覚寺、第四位の浄智寺ではないでしょうか。
建長寺は南宋より渡ってきた蘭渓道隆によって、円覚寺は宋より北条時宗が招いた無学祖元によって開山された歴史あるところとなっています。
そして浄智寺は、今話題の鎌倉七福神巡りの布袋が祀られています。
また、あじさい寺として名高い明月院も非常にきれいでおすすめです。
個人的におすすめなのは、これらのすぐ近くにある葉祥明美術館。
その作風からメルヘン作家として名のしれた葉祥明さんの美術館で、お寺巡りのついでに足を運ぶべきスポットですね。
2つ目が、鎌倉駅周辺の鎌倉エリア。
ここが鎌倉市のいわば中心地で、訪れる多くの方々が集うところ。
なんと言ってもシンボル的な存在感を示すのが、鶴岡(つるがおか)八幡宮。
大分県宇佐市の宇佐八幡宮、京都府八幡市の石清水八幡宮と共に日本三大八幡宮に数えられているところですね。
こちらも七福神巡りにおいて、弁財天が祀られており、境内の源平池に鎮座しています。
そして境内に「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」が最近開館したので、さらなる鎌倉の歴史を学ぶこともできますよ。
他にも寺社仏閣で言えば、鎌倉五山の第三位である寿福寺。
ちょっと駅から東に歩いた金沢街道エリアに、鎌倉五山第五位の浄妙寺もあります。
また、七福神巡りの毘沙門天担当、宝戒寺。
そして寿老人担当の妙隆寺と、恵比寿天を祀る本覚寺が位置しています。
続いてのエリアが更に南下したところである、由比ヶ浜、長谷、極楽寺エリア。
そうです、その名の通りあの有名な由比ヶ浜海水浴場があるところです。
実は鎌倉市の海沿いは海水浴場としても賑わいを見せており、その筆頭がここ由比ヶ浜海岸です。
他にも西には、七里ヶ浜海岸や腰越海岸、東には材木座海水浴場など豊富にあり、海を求めに訪れる人達も少なくありません。
この辺りは江ノ島電鉄が走っておりアクセスもしやすいので、JR鎌倉駅でのりかえちゃいましょう。
寺社仏閣の話に戻りますが、このエリアにあの有名なものがあります。
そうです、鎌倉大仏殿高徳院ですね。
大きさで言えば奈良県奈良市の東大寺大仏殿である盧舎那仏には負けますが、個人的に堂々と外に鎮座する姿がかっこいいなと感じます。
そして七福神巡りの大黒天を祀る、長谷(はせ)寺、福禄寿を祀る御霊神社もこのエリアにあります。
長谷寺と聞けば、関西の人は「わらしべ長者」発祥の地である奈良県桜井市の長谷寺を思う方が多いのではないでしょうか。
読み方も同じで、長野県長野市にある長谷寺と合わせて日本三長谷とも称されたりします。
鎌倉市の長谷寺には、日本最大級の木彫仏である十一面観世音菩薩像が本尊として安置されており、その大きさは一度は目にしたほうがいいですね。
御霊神社も夏にはあじさいが咲き誇る名所となっており、格好のスポットとなっています。
ざっと寺社仏閣を中心に、鎌倉市を紹介してきました。
鎌倉の大仏はもちろんのこと、鎌倉五山や鎌倉七福神巡りといったそれぞれのつながりを意識できるモデルコースがあるというのは、まさに滞在型観光としてお金を落としてもらういい事例ではないかと個人的に感じております。
他にも山に囲まれているので、ハイキングコースもいくつかあります。
北鎌倉に位置する浄智寺を起点に、葛原岡神社、銭洗弁財天宇賀福神社を経由して鎌倉大仏高徳院や佐助稲荷神社を目指す、葛原岡・大仏コース。
鎌倉駅の東、宝戒寺付近にある高時腹切りやぐらから祇園山、そして八雲神社を目指す、祇園山コース。
建長寺半僧坊から瑞泉寺や覚園寺など、多くのルートが入り混じっており、何度も楽しむことができるしっかりめのコース、天園コース。
主にこの3つのルートがあるので、体調や目的に応じて楽しんでみましょう。
最後に紹介しておきたいのが、鎌倉文士について。
鎌倉市は鉄道が開通して利便性が良くなってきた明治時代にかけて、政界人や財界人が頻繁に訪れ、別荘地としても利用されてきました。
中には川端康成を筆頭とした文学者も多く、彼らのことを鎌倉文士と呼びました。
彼らは文学に勤しむだけでなく、鎌倉カーニバルやぼんぼり祭りの考案、そして景観を破壊する住宅開発の阻止する反対運動である御谷騒動にも参加するなど、鎌倉の発展に積極的に寄与したのです。
そんな彼らについて学ぶことができるのが、鎌倉文学館。
同じ鎌倉市内にある旧華頂宮邸、古我邸とともに鎌倉三大洋館とも呼ばれているので、その建築を巡るのもいいかもしれません。
以上、鎌倉市についてお伝えしてきました。
先述したように、鎌倉市は多くの人が訪れてしっかりと滞在する要素が盛り沢山なので、旅先としても人気が衰えないのではないかと感じます。
寺社仏閣に海に山、それだけでも十分に魅力的なところですが、最近では朝まいり、座禅や写経といった寺社仏閣ならではの体験も積極的に展開しているので、何度訪れても飽きが来にくい工夫がなされていますね。
日本遺産「いざ鎌倉 -歴史と文化が描くモザイク画のまちへ-」にも登録されているので、それ目当てで訪れるのもありですね。
今後の鎌倉市の発展も気になるところです。
アクセスですが、鉄道もしっかり通っており良好です。
鎌倉市の玄関口として賑わっているのが、白い大船観音が見えることで有名な大船エリア。
ここを中心とする大船駅は、東海道線や横須賀線、湘南江の島駅までを結ぶ湘南モノレールが乗り入れる、まさに交通の要所となっています。
東京からだとJR横須賀線で1時間乗り換え無しで行くことができます。
湘南新宿ラインや上野東京ラインも大船駅まで通っているので、時間や場所に応じて利用する路線を変えてもいいですね。
寺社仏閣の魅力を堪能しに、鎌倉市へ訪れてみては。