北海道の小樽市。
石狩湾に面し、札幌市、石狩市、余市町、赤井川村と隣接するところ。
北海道の中でも人気の場所として名高いですよね。
特に小樽運河を中心とした町並みやルタオのドゥーブルフロマージュなど、小樽市を代表するものはすぐに言えるほど、馴染み深いものもあるのではないかと思います。
ただ、小樽市に来た人は、どちらかというとJR小樽駅近くのところだけで満足して帰ってしまう人が多いのではないでしょうか。
今回はそんな小樽市を隠れた魅力にも迫りつつ紹介していきます。
小樽市で多くの人が訪れるところと言えば、メインストリートの堺町通りですかね。
この通り沿いに、多くのお店が立ち並んでいますよね。
ルタオや北菓楼、六花亭をはじめとしたスイーツのお店や、新鮮な海鮮をいただくことができるお店、そして北一ヴェネツィア美術館や小樽オルゴール館といった土産屋などがあり、ここは絶対に訪れておきたいところですな。
ちなみに北菓楼は砂川市、六花亭は帯広市創業のメーカーなので、お間違えないよう。
そこから海側に向かうと、レトロな雰囲気のある小樽出抜小路や、小樽市のシンボル小樽運河および小樽倉庫が見えてきます。
かつて港湾として栄えた時代もあり、当時使用していた倉庫を現在ではいろんな飲食店などがリノベーションすることで、このあたりは多くの人を魅了するスポッとなっているのです。
堺町通りと合わせて訪れるべきところですな。
そして他にもJR小樽駅前周辺には楽しめるところがたくさんあります。
北海道発の鉄道路線、旧国鉄手宮線。
貨幣の歴史を学ぶことができる、日本銀行旧小樽支店金融資料館。
国の重要文化財にも指定されている、日本郵船小樽支店。
境内から小樽市の町並みを縦にできる、水天宮など。
まあ今挙げた場所くらいは訪れた人もいるとは思いますが、今回は中心街から離れたところもどんどん紹介していきますよ。
まずは、祝津エリア。
小樽市街地より北側のエリアで、石狩湾に突き出ているところですね。
ここで紹介したいのが、おたる水族館。
小樽市にも水族館があるのは、ご存知でしたか。
水槽自体が自然に近い形の環境となっており、昆布などの海藻が成長する中でトドやアザラシを飼育しています。
また、日本ではここだけしか見られないネズミイルカの飼育や、北海道ならではのイトウの展示を楽しめ、他にはないところとなっています。
すぐ側には祝津マリンランドや祝津パノラマ展望台があるので、合わせて訪れておきたいところ。
また、ニシン御殿という2種類の歴史ある建物があります。
1つは、日和山灯台のそばにある小樽市鰊御殿。
古くからニシン漁で栄えてきた小樽市。
その際に使用されていた道具や生活用具などが展示されており、北海道重要文化財鰊漁場建築にも指定されたほど、歴史ある貴重なところなのです。
そしてもう1つが、小樽貴賓館旧青山別邸。
別名がニシン御殿という、ニシン漁で巨万の富を築いた青山家の別荘のことで、豪華絢爛な内装となっています。
北の美術豪邸とも称されているここでは、ニシン料理も味わえるので、ぜひ頂いちゃいましょう。
また小樽市は何と言っても冬のウィンタースポーツも外せません。
なにせ全国スキー大会と全日本スキー選手権のそれぞれ第1回目が開催されたのが、この小樽市なのです。
現在は市内にスキー場が3つもあり、それぞれ違う顔を見せてくれます。
まずは、小樽天狗山スキー場。
ここは小樽市街地から最も近くにあるスキー場で、アクセスも比較的しやすいところ。
スキーも最高ですが、オフシーズンでは展望台としても人気があり、小樽天狗山ロープウェイを利用して小樽市街を一望してみるのもおすすめです。
次に、朝里川(あさりがわ)温泉スキー場。
小樽市街から南東方面に位置するスキー場で、山間にひっそりと佇んでいます。
その名の通り、近くに小樽市唯一の温泉街である朝里川温泉があるので、スキーで一汗かいたらこちらでリフレッシュしちゃいましょう。
3つ目が、スノークルーズONZE(オーンズ)。
札幌市寄りの春香町エリアにあるスキー場で、3つの中では穴場的な存在。
何と言っても眼下に石狩湾が広がるので、まるで海にダイブするかのような感覚で滑ることができ、他では味わえないところが魅力的です。
アクセスに関してはどちらかと言うと札幌市方面からのほうがしやすく、無料送迎バスも札幌市内の地下鉄宮の沢駅や最寄りのJR銭函駅から出ているので、ぜひ活用しちゃいましょう。
そして、小樽市ではあまり知られていないアクティビティがあります。
それがクルージングです。
小樽運河を約40分間、一年中楽しむことができる小樽運河クルーズは比較的人気ですが、実はそれ以外にも楽しめるクルージングを一気に紹介。
まずは、小樽海上観光船「あおばと」。
これは祝津航路とオタモイ航路を走る観光船で、ニセコ積丹小樽海岸国定公園の一部である小樽市の海岸を一望できる贅沢なものとなっています。
また、港内遊覧屋形船「かいよう」も同じ場所から出ており、これは小樽港湾内を約40分間かけて周遊し、海上から小樽市内の町並みを楽しむことができるので、小樽市の違った顔を見ることができますよ。
そして、祝津エリアからさらに西側に位置する塩谷エリアにある青の洞窟を巡るクルージングも人気を博しています。
このクルージングは、小樽港発の龍宮クルーズと、塩谷エリアからサクッとアクセスできるSalt Valley 408(ソルトバレーシオヤ)、そして㈱ツウセンが提供するものと主に3種類あるので、目的や時間に合わせて選んじゃいましょう。
これら以外にもヨットを体験できるマリンウェーブ小樽や、船底が透けたグラスボートなど、多種多様なクルージングをさまざまなところで楽しむことができるので、小樽市を楽しむ1つとして、プランに組み込むのもいいかもしれませんな。
そして最後に知っていただきたいのが、小樽の食について。
先述しているように豊富な海産物やルタオのスイーツが圧倒的な人気と知名度を誇っていますが、もちろんそれだけではありません。
スイーツで言えば、あまとうのマロンコロンや新倉屋の花園だんごが有名で、2019年現在であまとうは90年、新倉屋は124年もの歴史がある小樽を代表する老舗ですね。
ちなみにルタオは23年と、歴史は浅いですがその実力は素晴らしいと感じますな。
その他で言えば、あんかけ焼きそばや、かま栄と大八栗原のかまぼこですかね。
あんかけ焼きそばは小樽市発祥の料理で、これを食べない手はないですね。
かま栄のすり身をパンで包んだパンロールは、スナック感覚で食べられるかまぼこで、地方発送が出来ないのでまさに北海道でしか味わえない一品。
大八栗原はパセリーノジェノベーゼというパセリとニンニクのソースを練り込んだ洋風なかまぼこが有名で、小樽に訪れたら一度は味わいたい絶品です。
さらに、小樽市が北海道の後志(しりべし)地方に位置することから名付けられた、しりべしコトリアードというものがあります。
コトリアードとはフランスの北西部に位置するブルターニュ地方の漁師飯が始まりとされる郷土料理のことで、魚介などをふんだんに使用したスープです。
そのコトリアードと地名の後志が合わさって出来たのがしりべしコトリアードといい、これが提供されるお店の多くが小樽市内に点在するので、こちらもぜひ味わっていただきたいですな。
以上、小樽市について紹介してきました。
よく知られたところから、ちょっと足を伸ばさないと行けないようなところと取り上げましたが、まだまだ紹介できていないところがあるのも事実。
個人的には小樽市ゆかりの人物である『蟹工船』の著者・小林多喜二や無心理主義の提唱者・伊藤整にまつわる市立小樽文学館や、日本画家・筆谷等観の作品などが鑑賞できる市立小樽美術館など、文化的にも楽しむことができる場所もおすすめです。
小樽市が持つさまざまな一面を知ることで、真のオタルニスト(筆者による造語)になれるのではないでしょうか。
アクセスですが、JR函館本線が通っています。
道外からなら新千歳空港まで飛行機で、そこからJR快速エアポートに乗って1時間ちょっとでアクセスできちゃいます。
自動車なら札樽自動車道や後志自動車道を駆使して、札幌市からなら最短30分ほどでアクセスできちゃいます。
個人的なおすすめは、新潟港や京都府の舞鶴港などから出ているフェリーでのアクセスですね。
18〜20時間ほど要しますが、新日本海フェリーを思う存分に堪能できる機会なので、時間に余裕のある方はこちらをおすすめしたいですね。
真のオタルニストを目指して、小樽市に訪れてみては。