奈良県の天川村。
吉野郡に属する、奈良県のおおよそ真ん中あたりにあるところ。
周りを山々に囲まれており、五條市、黒滝村、川上村、上北山村と隣接しています。
その自然の多さゆえ、村の約4分の1が吉野熊野国立公園にも指定されているほど。
元来、山岳修験道の修行場として栄え、なかなか人が定住するようなところではなかったんだとか。
今回はそんな天川村を取り上げていきます。
天川村は非常に自然豊かで、水のきれいなところとして有名。
水の郷百選にも選ばれているんですよ。
特に日本名水百選にも選ばれている、洞川(どろがわ)湧水群から湧き出す水はもう格別。
ごろごろ水というところではこの水が汲み放題で、一度味わった人は何度も足を運んで汲みに来るほど飲みやすく美味しいんだとか。
これは一度は味わうべき天然水ではないでしょうか。
洞川つながりで言うと、天川村における温泉街として洞川温泉があります。
無味無臭の泉質で、体の芯から温めてくれます。
他にも、廃棄物とされてきた木材をそのまま使用し燃料とするガシファイアーを利用している、天の川温泉。
目の前の清流を見ながら入浴できる、薬湯センターみずはの湯。
天川村に訪れたときにはどれかには絶対入ってもらいたいですね。
一気に疲れも吹っ飛ぶことでしょうな。
そして天川村でも全国的に知られているのは、日本百名山の1つである大峰山ではないでしょうか。
ここは修験道の開祖である役行者(えんのぎょうじゃ)による、修験道発祥の地もとされる修行の山で、日本に残る数少ない女人禁制のところなのです。
崖の上から綱で吊るされる修行の1つ、西の覗は見たことある人もいるかも知れません。
また、山頂に位置する大峰山寺および、吉野山から熊野本宮大社までを結ぶ約80kmにもおよぶ山道である大峯奥駈道は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成遺産としても登録されています。
登山や修行というものに目がない人は、このあたりを攻めてみるのは非常におすすめです。
また、大普賢岳と弥山との間に位置する行者還岳は、上級者にはおすすめの隠れ登山スポットとなっているので、個人的におすすめですよ。
ただ、こちらはどちらかと言えば健脚な方向けの山々になっているので、もっと気軽に登山やハイキングを楽しみたい方には、他のところを3つ紹介。
1つ目は、稲村ヶ岳。
女人大峯とも呼ばれている、中級者向けの山。
往復約7時間ほどで、頂上では大パノラマが広がっております。
2つ目は、観音峯。
こちらは往復約3時間ほどで楽しめる、人気のハイキングコースとなっています。
頂上の展望台には立派なモチーフも鎮座しており、見ごたえのある風景が待っています。
3つ目は、みたらい渓谷。
透き通ったエメラルドグリーンに彩られた渓谷は、まさに絶景そのもの。
特に雨上がりのあとは水量も増しており、さらに迫力のある光景を目の当たりにできます。
このあたりは洞川温泉までを結ぶハイキングコースとなっているので、夏に涼を感じながら巡るのがおすすめです。
天川村の自然はこんなものでは終わりません。
ここには、五代松鍾乳洞と面不動鍾乳洞という、鍾乳洞が2つもあるのです。
しかも共通することが、トロッコに乗って行くということ。
どちらも山の上に位置していることから、トロッコが整備されているのです。
トロッコのワクワク感も楽しめるので、ぜひ鍾乳洞にも足を運んでもらいたいところ。
他にもおすすめなところとして、
小学校をリノベーションし様々な体験ができる施設、てんかわ天和の里。
天川村の上空に掛かる橋、かりがね橋。
日本三大弁天に数えられたりする由緒ある所、天河大辨財天社。
自然、水、修験道をテーマにした、天川村洞川エコミュージアムセンター。
天川村における本当の秘境、神童子谷(じんどうじたに)。
ジャンルもさまざまで、飽きることがないと思いますよ。
以上、天川村について紹介してきました。
信号は1つしかなく、鉄道も通っていないですが、これまで述べてきたように旅先としてのポテンシャルは計り知れないと思います。
そんな天川村に惹かれた人は、年会費1万円で天川村にまつわるものやイベントを体験できる特別村民になることもできるので、検討してみるのもいいかもしれません。
最後にアクセスですが、先述したように鉄道は一切通っておりません。
公共交通機関を利用するなら、近鉄吉野線の下市口駅から奈良交通バスで約1時間かけて行くしかありません。
車でも可能ですが、道が狭いところが多々あるので、注意深くしていきましょう。
おいしい水と自然を感じに、天川村へ訪れてみては。