愛媛県の今治市。
広島県の尾道市と海をまたいで繋がっているところ。
この2都市間を結んでいるのが、サイクリストの聖地であるしまなみ海道(西瀬戸自動車道)というのは、多くの方がご存知かと思います。
また今治タオルという、タオル界でも確固たる地位を築いたブランドもここから生まれましたね。
そんな今治市は愛媛県の市町村の中でも、島の数が多いところ。
これらは芸予諸島と呼ばれ、しまなみ海道が走る大三島(おおみしま)、伯方島(はかたじま)、大島をはじめ、来島や能島、岡村島など、魅力スポット満載なのです。
今治市街を堪能するのももちろん良いですが、個人的にはこれらの島を巡るほうがおすすめですね。
今回はその辺りを中心に紹介していきます。
まずは大三島。
ここは今治市に属する島の中でも一番大きい島で、尾道市からしまなみ海道を渡ると最初に上陸するところ。
お隣の尾道市に属する生口島とは、しまなみ海道の一部である多々羅大橋で繋がっており、その景観を一望する展望台も近くにあります。
また大三島には、博物館や美術館などがあわせて6つもあるという、ここだけでアート巡りできるほど充実しているところでもあります。
昭和天皇の海洋生物研究に使用された船「葉山丸」が展示されている、大山祇(おおやまづみ)神社海事博物館。
書道家の村上三島氏の作品が中心に展示されている、上浦歴史民俗資料館。
主に現代の日本画を扱う、大三島美術館。
サン・ピエトロ大聖堂の門扉を制作したジャコモ・マンズーなど、現在アートが数多く展示された、ところミュージアム大三島。
日本を代表する建築家である伊東豊雄氏の名前がそのままついた、伊東豊雄建築ミュージアム(TIMA:Toyo Ito Museum of Architecture)。
母と子を主な題材として作品が展示されている、岩田健母と子のミュージアム。
後者3つ、もしくは大山祇神社海事博物館をのぞく5つをお得に巡る割引チケットもあるそうなので、ぜひ活用してアートな一日を過ごしちゃいましょう。
次は伯方島。
この伯方という字、見覚えのある人がいるかも知れません。
そう、あのCMで有名な「伯方の塩」の伯方ですよ。
もともと19世紀から、塩田を用いた製塩業が盛んであった伯方島。
しかしながら、1971年(昭和46年)に「塩業近代化臨時措置法」という自由に塩を作ってはいけないという法律が制定され、製塩業も規制されていきました。
そこで有志が集い、当時まだ3つだけ残っていた伯方島の塩田を存続させる自然塩存続運動が行われ、結果的に塩田を残すことは叶いませんでしたが、伯方島で塩を作ることができるようになったとのこと。
今ではどこかの芸人が一発ギャグとして使ってしまうほど、有名なフレーズとなった伯方の塩ですが、このような歴史があって付けられた名前ということは忘れちゃいけませんね。
現在でも伯方の塩を製造する工場が稼働しており、工場見学することができるのでオススメ。
そんな伯方の塩の歴史をさらに知りたい方は、こちらをチェック。
他にも、イルカやクジラと一緒に泳ぐことができるドルフィンファームしまなみなど、楽しめるスポットが満載な島となっています。
そして3つ目は、大島。
ここで外せないのが、村上海賊ではないでしょうか。
戦国時代に芸予諸島を拠点に活動していた海賊で、ポルトガル人宣教師ルイス・フロイスは日本最大の海賊とも称するほどの規模であったとのこと。
「”日本最大の海賊”の本拠地:芸予諸島」という名称で、日本遺産にも登録されています。
そんな彼らのことを知ることができる、村上水軍博物館がここ大島にあるので、ぜひ訪れておきたいスポットであります。
またその博物館の目の前にある能島水軍から、村上海賊の拠点の一つでもあった能島周辺を船で回遊することができ、当時の村上海賊の雰囲気を体験することもできますよ。
村上海賊についてさらに詳しく知りたい方は、こちらをチェック。
また、大島ではカレイ山展望公園や亀老山展望台といった素晴らしい眺望をほしいままにできるところもあるので、行くしかないと思いますね。
今回は今治市に属する主な3つの島を中心に紹介してきました。
もちろんここで紹介したスポット以外にもキャンプ場や寺社仏閣など、島にあるスポットだけで十分に楽しめるほど、充実していると感じます。
なんと言っても芸予諸島は四国からでも本州からでも、陸路と海路でアクセスできるというのが魅力ではないでしょうか。
サイクリングも船旅も満喫できる、何度来ても飽きることがないのが強みではないかと。
誰に対してもおすすめできる、今治市の島々たち。
次回は今治市街地を中心に、紹介していきますね。