秋田県の東成瀬村。
少し離れたとこにある羽後町とともに雄勝郡(おがち)に属する、秋田最南東に位置する村。
がっつり岩手県の奥州市、一関市、西和賀町に面し、ちょこっと宮城県の栗原市に面した村。
村を縦に切り裂くように、成瀬川も流れています。
場所も場所なので何となく想像がつきますが、ここは豪雪地帯でその期間は約5ヶ月。
平成11年には日本一星空が綺麗という認定も受けたほど、星空が映えています。
「日本で最も美しい村」連合にも加盟している東成瀬村、どんなところなのでしょうか。
目を見張るべきところは、この位置環境によって生み出された自然かと。
村の東側には、東北の背骨である奥羽山脈が屹立しており、中でも東成瀬村には魅力的な山が2つあるのです。
一つは、北東に位置する焼石岳。
厳密に言うとお隣の奥州市に位置しているのですが、登山コースの一つが東成瀬村に位置する大森山からスタートするものがあるということなんですね。
登頂難易度はそこまで高くないので、本格的な登山というよりは、トレッキング中心かと。
また、この大森山から西の方向には、ジュネス栗駒スキー場が位置しており、ウィンタースポーツが楽しめます。
やまゆり温泉も併設しており、寒さも吹き飛ぶこと山のごとし。
やまゆりと聞くと、和歌山県本宮町にあるわたらせ温泉を彷彿とさせますね。
そしてもう一つは、南東に位置する栗駒山。
これも厳密に言えばお隣の栗原市に位置していますが、天馬尾根コースという秣(まぐさ)岳を通るルートが東成瀬村からスタートなんですね。
そしてこちらも須川温泉が近くにあるので(厳密に言えば一関市)、登山の疲れを癒やしてくれます。
どちらの山も厳密に言えば、お隣の都市のものですが、その素晴らしい山々の一部を東成瀬村が構成しているという本質は変わりありません。
須川湖及び須川高原では、紅葉シーズンは一面オレンジ色の風景を私たちに与えてくれるのです。
そしてオレンジといえば、ここで育てられている牛のことを忘れてはいけません。
その名も、なるせ赤べご。
オレンジは言いすぎましたが、本当にくっきりと赤茶色の体をした牛です。
この色は日本短角種とも呼ばれているそう。
夏山冬里方式という、春から秋にかけて放牧しストレスフルな環境を与え、冬は牛舎で飼育するという方法で育てられており、肉質もしっかりしているそうですよ。
毎年夏にはなるせ赤べご祭りも開催されており、その美味しさを堪能できるとのこと。
最後に、この東成瀬村では仙人に認定してもらえます。
村内の永伝寺や龍泉寺で、毎年8月に2泊3日で修行が行われ、乗り切れば見事仙人に。
仙人郷とも称されるだけあって、全国から仙人希望者が集まるとのこと。
普段の生活に刺激がほしいという方には、もってこいかも知れませんね。
こんなに魅力的で個性的な、秋田県の奥深くにある東成瀬村。
アクセスは基本的に車、あとJR十文字駅からバスだけで、場所も場所なので限られますが、東北の中央に位置しているので、秋田方面からでも岩手方面からでも山形方面からでも訪れることは可能です。
しかしながら冬場は岩手方面からの道路が雪で封鎖されるので、これまたアクセスが不便になりますが、それを乗り越えた先に待ってる雪景色は忘れられないでしょうね。
学力日本一の村でもある東成瀬村、一度訪れてみては。