福島県の浅川町。
石川郡に属している、福島県の中でも小さめのところ。
図にも写っている猪苗代湖と同じくらいの大きさですね。
浅川町はいったいどんなところなのでしょうか。
浅川町は、花火の里として知られています。
日本三大花火大会が秋田県の大曲、茨城県の土浦、そして新潟県の長岡なので、浅川町の花火大会は聞いたことがない人もいるかも知れませんね。
毎年お盆の8月16日に花火大会が実施され、町の人口の約5倍の3万人という人々が見に訪れます。
江戸時代から300年ほど続いているとのことで、福島県内では最古とも。
さまざまな説がありますが、かつてこの辺りで起こった百姓一揆の犠牲者を悼んで花火が打ち上げ始められたとも言われているのです。
そんな浅川町の花火大会では、ここならではの花火も見ることができます。
まず、地雷火。
これは城山頂上から打ち上げられる花火で、まるで火山が噴火したかのような光景を目のあたりにすることができます。
そして、もう一つが大からくり。もうめちゃくちゃでかいのですこれが。
剛健な男たち40人がかりで運ぶほどの大きさなんです。
これが点火されると、そのまま続けて浅川の滝と呼ばれる全長200メートルもある花火が点火され、迫力大満点。
また、除夜の花火も行っているそうで、大晦日に108発打ち上げられるそう。
花火が盛んな所ならではの光景かと。
花火以外の見どころもいくつか紹介。
まず、吉田富三記念館。
ここ浅川町で生まれた、世界的に有名な病理学者である吉田富三氏の記念館。
彼がどうして世界的にも有名なのかというと、彼が発見した吉田肉腫と呼ばれるがん細胞の発見により、がん研究が飛躍的に進んだからだそう。
優れたがん研究を行った人に対して授与される、吉田富三賞というものもあるそうで、まさにがん研究のパイオニアと行っても過言ではないのです。
そんなすごい方も浅川町に縁があるのですね。
そして、もう一つ紹介したいのが、宥貞の即身仏。
即身仏ってなんだと言う人もいるかも知れないので、簡単に説明すると、ミイラですね。
厳密に言うと内臓や脳を取り除いたものがミイラで、即身仏は内蔵などはそのまま残してあるので違うのですが、ほとんどミイラです。
もっと言えば、即身仏はいわば自ら望んで行うもので、いわば修行の一種。
即身仏になるために徐々に食べる量を減らし脂肪や水分を極限まで減らし、土の中で息絶えるまで念仏を唱えてようやく辿り着く境地なのです。
もちろん失敗も多いとのことで、即身仏は日本全国にも約20体しか存在しないとのこと。
そのうちの1つがこの浅川町の貫秀寺薬師堂にある、宥貞の即身仏。
彼はこの地での疫病治癒祈願を目的として即身仏となったらしく、他に類を見ないとのこと。
見学もできるそうなので、興味のある方は行く価値が十分にあるかと。
大きな見どころといえば、こんなところかと。
アクセスは、茨城県の水戸駅と福島県の郡山市にある安積永盛(あさかながもり)駅を結ぶJR水郡線が走っているので、ぜひ利用しちゃいましょう。
隠れた花火の名所に、是非訪れてみてはいかがでしょうか。