和歌山県の湯浅町。
有田郡に属し、有田市、有田川町、広川町に面しているところ。
ここはかつて、紀伊半島が誇る世界遺産「熊野古道」の宿場町としても栄えました。
そんな湯浅町、いったいどんなところなのでしょうか。
湯浅町はあることで世界から注目されているところです。
それは、醤油醸造発祥の地であるということ。
鎌倉時代に覚心和尚が中国の宋から今の湯浅町あたりに金山寺味噌の作り方を伝えたときに、その製造過程で発生する上澄み液を味見してみたところ、非常に美味だったとか。
それがまさに醤油誕生の第一歩らしく、のちの醤油醸造へと繋がったのである。
その後湯浅町は醤油製造で栄え、町並みも発展していきました。
醸造業にまつわる町家や土蔵など、まさに醤油を作るために適した造りをしている建物ばかりで、そこはまさにタイムトラベルしたような雰囲気を味わえます。
その町並みは現在、和歌山県で唯一の重要伝統的建造物群保存地区に指定、また日本遺産「「最初の一滴」醤油醸造発祥の地 紀州湯浅」として認定されています。
そしてこの保存地区を、湯浅町は「湯浅まちごと醤油博物館」と称し、盛り上げていこうと奮闘しています。
湯浅町に来たら、絶対に訪れるべきところですな。
江戸時代、湯浅町に醤油屋は92軒も存在したそうですが、現在では大手メーカーの台頭によりその数は激減。
今では保存地区に唯一現存する、1841年創業の角長(かどちょう)という老舗醤油醸造蔵が、今でも「湯浅たまり」と言われる製造方法を頑なに守り続け、その伝統を受け継いでいるのです。
この角長では、古い醸造道具が多数展示されている職人蔵と、醤油づくりを分かりやすく紹介している醤油資料館が併設されており、入場無料・要予約で楽しむことができるのでおすすめ。
そして醤油を使った料理をいただけるところも少し紹介。
まずは北町茶屋いっぷく。
ここでは2件隣にある楠山商店の新鮮な魚を買って持ち込み調理してもらえるという珍しいスタイルで料理を提供しているところ。
古民家をリノベーションしたので、その内装と雰囲気を味わいながらゆっくりできますよ。
次にかどや食堂。
これはJR湯浅駅近くに位置する定食屋で、なんと言ってもおすすめがしらす丼。
湯浅町はしらす漁獲量県内一というほどしらすが名物で、このかどや食堂は湯浅町ではじめてしらす丼を提供したところなんだとか。
透き通った絶品のしらすをぜひここで味わっちゃいましょう。
最後に古由青果。
ここでは醤油ソフトをいただけます。
温暖な気候であることから、柑橘類の生産も豊富な湯浅町。
3分の2が湯浅町で収穫されている三宝柑をはじめ、美味しいスイーツをここでは味わうことができますよ。
他にも、醤油テイスティングができる、立石茶屋。
金山寺味噌を味わえ購入できる、太田久助吟製。
銭湯跡を歴史資料館として展開している、甚風呂。
おもちゃを見ながらくつろぐことができる、湯浅おもちゃ博物館。
湯浅まちごと醤油博物館の玄関口である、湯浅うまいもん蔵など。
醤油について学び楽しむには十分なところばかりですね。
まさに湯浅のメインといえば上記の保存地区ですが、もちろん他にも見どころがたくさんあります。
特におすすめなのが、湯浅町の北西に位置する栖原エリア。
ここに位置する透明度の高い海が広がる湯浅湾の栖原海岸で、シーカヤックが体験できます。
これでしか行くことができない無人島や洞窟など、貴重な体験ができるので、マリンレジャーとしては最高ではないでしょうか。
また、近くの白上山は湯浅湾を一望できる絶景スポットとして人気なので、是非とも訪れたいところとなっています。
そしてここの栖原エリアには、「紀州のかくれ湯」と称される栖原温泉があります。
リニューアルを重ね部屋数は5室となっておりこじんまりとしていますが、おすすめできる隠れ温泉スポットとなっています。
また内陸の方には、二の丸温泉や湯浅城のお膝元にある湯浅温泉と、湯浅町は意外にも温泉に恵まれているところでもあります。
旅の疲れを癒やすにはもってこいのところですな。
以上、湯浅町について紹介してきました。
醤油醸造発祥の地として、今までその伝統を受け継いできた様子がわかるところですね。
個人的にはその醤油に関する情報を発信しつつ、実は海がとても綺麗なんだということをよりアピールすることができれば、湯浅町はさらに進化するのではないかと感じます。
熊野古道に興味がある人は、お隣の有田市にあるJR紀伊宮原駅から湯浅駅を結ぶ約4.8kmの熊野古道探索コースを巡るのもおすすめですよ。
アクセスですが、湯浅町にはJR紀勢本線が通っています。
大阪方面からでしたら、特急くろしおに乗ればなんと一本、約1時間ちょっとで行くことができますよ。
車でしたら阪和自動車道(湯浅御坊道路)を利用して訪れちゃいましょう。
醤油の原点を探りに、湯浅町へ訪れてみては。