富山県の上市町。
中新川郡に属し、魚津市、黒部市、富山市、滑川市、立山町、舟橋村に隣接するところ。
西側は富山県中心部に近く栄えており、東側は町のシンボル的存在である剱岳(つるぎだけ)をはじめとした大自然に囲まれています。
今回はそんな上市町を紹介していきます。
先述したように、上市町にはシンボル的存在の剱岳が東側にそびえ立っています。
飛騨山脈を形成する標高2,999mの高峰で、中部山岳国立公園に指定されている日本百名山の1つ。
氷河に削り取られた氷食尖峰を成しており、登山家からは「岩と雪の殿堂」とも呼ばれるほど、登山の難易度も高い山となっています。
その分この山に挑む登山家の方も多く、登山における整備もしっかりなされています。
剱岳の登山コースは主に2種類。
1つは、お隣の立山町の室堂ターミナルが起点となる、別山尾根ルート。
そしてもう1つがここ上市町が主体となる、早月尾根ルート。
早月尾根ルートは、標高750mのところにある上市町の馬場島というエリアから早月尾根を一直線に登り剱岳山頂を目指すルートとなっており、馬場島荘という施設で前日泊をした登山者が続々と登り始めるのです。
馬場島に関してはもちろん登山者だけでなく、気軽にキャンプやハイキングを楽しみたい方に向けた剱岳青少年旅行村という施設もあるので、がっつり登山をしない方でも楽しむことができるところとなっていますよ。
他にも上市町が誇る山としては、大日岳や奥大日岳、剣御前や地平山といった2,000m以上のものがあるので、登山愛好家からすれば格好の場所でしょう。
もちろん剱岳などに限らず、上市町にはより気軽に自然を楽しむことができるようなところがいくつもあります。
町の至るところにトレッキングルートがあり、それを目当てに訪れる方も少なくないんだとか。
特に、スウェーデンのアウトドアブランド「FJALL RAVEN(フェールラーベン)」と上市町がコラボした、2019年10月に開催の絶景トレッキングツアーというのが注目されており、上市町の積極的なプロモーションが見て取れます。
こうした自然を実感する事ができるところ以外にも、たくさんの見どころがあります。
中でも2つの寺社仏閣がおすすめ。
1つは、大岩山日石寺。
こちらは真言密教の大本山として、行基が一晩で岩に不動明王を彫り込んだことがはじまりの寺なんだとか。
境内には様々な見どころがあります。
壁がない珍しい造りをした、三重の塔。
滝修行ができる、六本滝。
日石寺の隠れスポットである、千巌渓など。
すぐ近くにある百段坂お店通りで食べられるそうめんや、大岩不動の湯という温泉とセットで楽しめるのでおすすめですよ。
そしてもう1つが、眼目山立山寺(りゅうせんじ)。
地元民からは「さっかの寺」と親しまれている、禅宗曹洞派の名刹。
こちらではお寺ではあまり馴染みのないものを体験できます。
それは、森林セラピープログラム。
栂の並木に彩られた参道、近くの気軽に登ることができる櫛形山といった自然を体全体で感じながら森林浴を行いリフレッシュするというもので、人気を博しています。
最後に個人的なおすすめとしてあげるのが、西田美術館。
初代館長の西田安正が自ら世界各地で集めたコレクションを中心に展示されており、古代オリエントのものからシルクロードを伝い中国の文化、またロシアのイコン美術についても展示されている、全国的に見ても珍しいジャンルのところとなっています。
また代々富山県のこの辺りの地域に伝わる、越中おわら節についての展示もあり、じっくりとその歴史を学ぶことができますよ。
以上、ざっくりながら上市町を紹介してきました。
ここは剱岳の麓ということもあり、水源にも恵まれています。
それを活かした城山の湧水、名水百選にも選ばれた穴の谷の霊水、また日本海を一望できる弘法大師の清水といった、おいしい湧き水を汲むところもたくさんあります。
また温泉も豊富で、先述した大岩不動の湯をはじめ、300年以上続く湯神子(ゆのみこ)温泉、茶褐色でぬめりのある温泉があるつるぎ恋月、人工炭酸湯が名物のアルプスの湯があり、トレッキングや登山の疲れはこれで癒せること間違いなし。
他にも、アニメーション映画「おおかみこどもの雨と雪」の舞台となった、おおかみこどもの花の家。
薬草について学ぶことができる、薬用植物指導センターなど。
さまざまなジャンルで楽しむことができる上市町、非常におすすめです。
アクセスですが、富山地方鉄道が通っています。
特にここ上市駅には観光列車のダブルデッカーやアルプスエキスプレスを含めすべての列車が停車するので、観光の立ち寄り場所としてもおすすめですな。
自動車なら北陸自動車道も通っているので、お隣の滑川もしくは立山ICからアクセスが可能ですよ。
剱岳の麓の町、上市町へ訪れてみては。