茨城県の北茨城市。
県北部に位置し、高萩市、福島県のいわき市、塙町と隣接しているところ。
最北部ということで、茨城県最後の秘境感が漂うところとなっています。
そんな北茨城市を紹介していきますよ。
北茨城市には地質的に見応えのある場所が多々あり、そのあたりから。
まずは日本の音風景百選、および渚百選に選出されている、五浦海岸。
波の侵食により岩礁や崖が生成され、亀ノ尾層や九面層といった地層が見られます。
そんな五浦海岸の中でもよく知られているのが、真っ赤なシンボル六角堂。
岡倉天心によって海岸沿いに建てられ、彼はここをアトリエとして活動したとのこと。
六角堂と夕日の相まった風景は非常にきれいなのでおすすめです。
2011年の東日本大震災の津波により全壊したものの、その後再建されその姿を携えています。
続いて、常磐炭田。
北茨城市から福島県南東部にかけて広がる炭田で、日本の近代化を支えてきました。
中郷鉱跡や花崗岩を加工して作られた浄蓮寺の観音像、磯原海岸に浮かぶ二ッ島など、それぞれ何億年も前から形成されてきた石炭の地層や景観を目のあたりにできる貴重な場所となっていますよ。
そして、花園渓谷。
シャクナゲの群生地があり、秋は紅葉が非常に見応えありです。
近くの猿ヶ城渓谷、浄蓮寺渓谷、七つ滝、千猿の滝、亀谷地湿原といった自然の宝庫と合わせて楽しむのもおすすめですよ。
これらのスポットは、2017年に認定取り消しされた茨城県北ジオパークのジオサイトとして、再認定に向けてそれぞれで活動しているとのこと。
私達にさらなる魅力を提供してほしいですね。
続いて紹介するのが、北茨城市にゆかりのある人物について。
その名は、野口雨情。
北原白秋、西条八十と合わせて三大童謡詩人と言われ、その名を聞いたことがある人も多いかと思います。
「シャボン玉」「七つの子」といった有名な童謡も、彼が創り上げたんですよ。
北茨城市は彼の出身地ということで、彼のことをもっと知りたい方には、野口雨情記念館・北茨城市歴史民俗資料館がおすすめです。
彼の展示を中心とし、北茨城市の歴史にまつわる事柄も学ぶことができるので、ぜひ訪れておきたいところ。
また、野口雨情生家資料館も外せません。
磯原海岸を臨むように位置し、またの名を観海亭と言います。
当時の生活を垣間見ることができるので、合わせて見ておきたいですね。
他にもミュージアムとして、茨城県天心記念五浦美術館や、北茨城市漁業歴史資料館よう・そろーなど、見ごたえのあるところがまだまだあります。
前者はその名の通り、先述した岡倉天心や横山大観といった茨城県ゆかりの人物の展示を行っており、立地も五浦海岸沿いとその風景も相まって見応え充分です。
後者もその名の通り漁業について学べるところで、「よう・そろー」とは航海用語で前進せよという意味なんだとか。
最後に、これらのミュージアムとも少し関連のあることについて。
それは、十石堀。
1669年に作られたとされる歴史ある生活用水路で、その距離は約15キロ。
沢地形や花崗岩といった自然の産物をうまく利用しており、令和元年には世界かんがい施設遺産にも選ばれたんだとか。
上記のミュージアム内の展示でも見ることができるので、チェックしておきましょう。
以上、北茨城市について紹介してきました。
県内でも辺鄙な場所ではありますが、偉人にまつわる場所や地形など、話題には事足りないところではないかと感じましたね。
他にも、名物であるあんこうどぶ汁発祥の地で、それに伴い全国あんこうサミット開催地としても名高く、また蛙目(がいろめ)粘土を利用した天心焼など、特産物にも事欠きませんね。
ここでしか味わえない体験が待ち受けていますよ。
アクセスですが、JR常磐線が通っています。
常磐自動車道もしっかり通っているので、車でもアクセスしやすいでしょう。
天心雨情どぶ汁が待っている、北茨城市に訪れてみては。