栃木県の矢板市。
県の中北部に位置し、那須塩原市、大田原市、さくら市、塩谷町に隣接するところ。
周辺市町村の陰に隠れがちで、あまり聞き馴染みがない方もいるのではないでしょうか。
今回はそんな矢板市を紹介していきます。
まずは矢板市の歴史的な一面から。
矢板市の一部が日本遺産に登録されているのはご存知でしょうか。
「明治貴族が描いた未来 -那須野が原開拓浪漫譚-」というもので、主に那須塩原市を中心に登録されており、明治時代に生み出された近代化遺産が多く見られるエリアとなっています。
その内の3つの構成文化財が矢板市に位置しているのです。
1つ目は、山縣有朋記念館。
歴史好きの方は聞いて分かるよう、内閣総理大臣にもなったあの山縣有朋の記念館で、彼の遺品や資料、その他当時の貴重な展示品が見られます。
建物自体も現存する数少ない木造洋風建築で県指定有形文化財にも登録されている貴重なものとなっています。
また、人々に森林愛護の視点を持ってもらうため、建物周囲の森林が創設されたというのも、明治時代から森林保護に関する彼の思いが伝わってきますね。
2つ目が、記念館のそばにある山縣農場。
こちらも明治時代に開拓された農場で、当時は伊佐野農場として開墾されました。
現在はその姿だけを留めていますが、当時の様子がうかがえる貴重な場所となっています。
そして3つ目が、矢板武旧宅。
栃木県北部に様々な功績を残した矢板武にまつわる場所で、現在は記念館として公開されています。
当時の生活の様子も見ることができ、現在は枝垂れ桜の名所としても密かに人気を博していますよ。
そんな明治の歴史が色濃く残る矢板市ですが、北部には県民の森を中心とした広大な自然が広がっています。
中でも一際目を引くのが、八方ヶ原ではないでしょうか。
ここは日光国立公園の一部で、初夏にはレンゲツツジで一面真っ赤という見ごたえのある光景を目の当たりに出来ます。
近くにある山の駅たかはら、八方ヶ原牧場など、ふらっと立ち寄れる場所もいくつかあるので、あわせて訪れておきたいところ。
さらに個人的におすすめしたいのが最北部、那須塩原市との境にある、おしらじの滝。
きれいに円を形どった滝壺に静かに流れていく、迫力さには欠けますが心を穏やかにしてくれる、そんな滝だと個人的に感じますな。
矢板市を象徴するかのごとく、さまざまなところで写真が使われていたりするのをよく目にしますが、まあそれにしても幻想的な滝なこと。
特にこの周辺は水源が豊富なのか、おしらじの滝をはじめ、那須塩原市にはスッカン沢や咆哮霹靂の滝、矢板市にも傾聴の滝や創造の滝など、手つかずの自然が豊富に残っているので、一度に回ってみることをおすすめしたいですね。
以上、さくっとですが矢板市を紹介してきました。
日本遺産や国立公園の一部を担っており、ささやかながら魅力を伝えているところではないかと感じました。
個人的に気になったのは、「やいたブランド」というもので、矢板市の名産品の一部にこのブランドのマークが付いてるんだとか。
例えば、矢板のりんご。
焼いたリンゴとかけても面白そうと勝手に聞きながら思っていましたが、そうです矢板市はリンゴが名産品なんですね。
特に矢板市の標高がまさにリンゴを栽培できる南限で、なかなか市場にも出回らないそう。
りんご以外にもあるそうですがここでは割愛させていただきます。
そしてもう一つ気になったところが、58ロハスクラブ。
もともとゴルフ場だったところを、第6次産業を取り入れるなどしてテーマパークのような場所にしようと現在進行形で取り組んでいる組織で、ファームやイタリアン、マルシェやキャンプ場などを手掛けています。
ここで使われるエネルギーは自給自足で循環されており、今後の地域活性化にも一役買いそうな勢いだと個人的に感じますな。
アクセスですが、矢板市にはJR宇都宮線、東北本線が通っております。
東北自動車道も通っているので、アクセスも比較的容易ではないでしょうか。
やいたブランドを目に焼き付けに、矢板市へ訪れてみては。