青森県の中泊町。
津軽山地西側の北津軽郡に属し、つがる市、五所川原市、外ヶ浜町と隣接しているところ。
飛び地の市町村としても有名で、あいだに五所川原市を挟む形となっています。
今回はそんな飛び地という環境を活かした中泊町を紹介していきます。
中泊町は大きく2つのエリアから成り立っています。
まずは北側、海沿いの小泊エリアから紹介。
海に面する小泊エリアはもともと旧小泊村という名前で、主に漁業により発展してきました。
ウスメバル、またの名を中泊メバルや津軽海峡メバルとも言う高級魚の水揚げ量が県内一を誇っています。
そんなメバルにあやかって、メバルせんべいや、あんこやカスタードが入ったメバ焼きなどの名物も作られています。
春先にはヤリイカも獲れ、海産物を食べるにはうってつけですな。
そんな美味しい海鮮を食べられるのが、道の駅こどまり(ポントマリ)。
特におすすめなのが1日30個限定の海峡ドッグで、ぜひとも味わっていただきたい一品。
ただ営業期間が4月中旬から11月上旬となっており、冬季は休業しているので注意ですね。
また、小泊エリアではもう一つ訪れていただきたい施設があります。
それは、小説『津軽』の像記念館。
ここは太宰治にまつわる施設で、彼の子守であった越野タケが住んでいたこの小泊エリアに建てられました。
建物の名前にもあるように、太宰治の作品『津軽』を中心としてた施設となっており、その中の一節や、太宰治と越野タケの像およびビデオシアターなどを見ることができます。
太宰治のファンなら一度は足を運んでおきたいところですね。
そしてもう1つ、小泊エリアで絶対に訪れておきたいところを紹介。
それは、権現崎。
日本海に突き出た巨大な岩山からなる岬で、ここ全体は津軽国定公園に指定されています。
遊歩道も整備されているので気軽にトレッキングもでき、ちょっとした運動がてら展望台を目指すのも良いかもしれません。
また権現崎ははるか昔、中国が秦の時代だったころ、始皇帝の命によって日本まで不老不死の薬を求めてやってきた徐福がたどり着いたところの1つとされています。
そのため中泊町は徐福の里とも言われ、この権現崎付近には徐福の里公園や徐福の像があり、ちょっとしたスポットにもなっているのでおすすめですよ。
他にも小泊エリアの見どころとして、
津軽国定公園に指定され、海のすぐ側を流れる、七ツ滝。
中泊町ならではの風景を楽しむことができる、眺瞰台や坂本台、竜泊ライン展望台。
小泊エリアのちょっとしたスポット、ライオン海道とライオン岩。
夏場は海水浴で賑わう、折腰内海水浴場と小泊マリンパーク。
自然と触れえるキャンプが楽しめる、遊仙公園と折腰内キャンプ場など。
これらのいくつかを含めた、小泊十二景もおすすめですよ。
そして中泊町のもう片方、中里エリアを紹介。
こちらは農業がメインで、特に中里エリアのハトムギは「中里在来」とも呼ばれ、日本を代表する品種となっています。
では、中里エリアの見どころを一気に紹介。
まずは、中泊町博物館。
中泊町総合文化センター「パルナス」の中に図書館や文化ホールと共に入っており、地元の歴史を深く学ぶことができます。
個人的には、この地に走っていた津軽森林鉄道に用いられていたディーゼル車のレプリカが見応えあると感じますね。
次に、金多豆蔵人形劇。
これは中泊町の無形民俗文化財に指定されているもので、津軽伝統として受け継がれています。
金多と豆蔵のバラエティに富んだ掛け合いが、見るものを引きつけること間違いなしですよ。
津軽鉄道の津軽中里駅構内にて毎月第1土曜日に開催されているので、チェックしておきましょう。
他にも自然を存分に活かした公園がいくつかあります。
まずは、非常に大きな沼が印象的な、大沢内ため池公園。
大沢内ため池は芦野池沼群県立自然公園にも指定されており、そこに架かる桟橋と池の沼と自然が生んだ緑のコントラストに魅了されます。
奥まで行くと、湧きつぼという中泊町の人々の生活用水として親しまれてきた名水を見ることができるので、探検してみるのも良いかもしれませんね。
次に、滝ノ沢ふるさと砂防愛ランド。
変わった名前のここはいわゆる親水公園で、キャンプ場などが併設されている家族で楽しめるところ。
約20分ほど歩いたところには不動の滝があるので、マイナスイオンもここで吸収できますよ。
そして、中泊町森林公園。
広々とした自然豊かな公園で、遊歩道を歩きながら散策するのがおすすめ。
ふれあいセンターというところでコテージに宿泊もできるので、自然の中の雰囲気を少し味わい方には良いかもしれません。
以上、中泊町を大きく2エリアに分けて紹介してきました。
飛び地という全国的にも数少ない特殊な市町村ですが、小泊エリアと中里エリアそれぞれの個性を楽しむことができるので、訪れる価値は十分にあると感じますね。
個人的なおすすめは、老舗御菓子司「松しま」のパリパリシュークリームとモチモチのパンですかね、密かな中泊町の名物でもあります。
今後はそのようなちょっとした資源を活かしつつ、いかにして両エリアを周遊しながら楽しむことができるプログラムを打ち出していけるかが鍵になってくるのではないと思いますな。
最後にアクセスですが、中泊町は津軽鉄道が通っています。
青森市内からのアクセスなら、JR奥羽本線と五能線を乗り継いで津軽五所川原駅まで行き、そこで津軽鉄道に乗り換える方法がありますね。
北海道方面からのアクセス方法としては、北海道新幹線で奥津軽いまべつ駅まで行き、そこから津軽鉄道の津軽今里駅を運行する駅間バス「あらま号」を利用する手もあるので、コンディションに応じて選んでみてはいかがでしょう。
メバルとパリシューが出迎えてくれる、中泊町へ訪れてみては。