岩手県 平泉町 -東北における仏教の要所-

 

岩手県の平泉町。

 

 

西磐井郡に属し、奥州市と一関市に挟まれているところ。

世界遺産の中尊寺金色堂などがあることでも有名ですよね。

その他にもグリーンツーリズムなどで賑わいを見せている平泉町。

一体どんなところなのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

ではまず、平泉町にある世界遺産について紹介。

正式名称は「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-」です。

堅苦しく名付けられていますが、要はこの平泉という土地が、仏教文化が日本、特に東北地方に根付くにあたって、重要なところであるということです。

多くの人が中尊寺のことしか頭になく、実際にこの平泉という土地が歴史的にどのような価値があるところなのかということがあまり知られていないのではないかと思います。

せっかくなので、今回はその辺りも詳しくお伝えしていきます。

 

 

 

2011年に世界遺産に登録された平泉は、主に5つの構成資産からなっています。

その代表格がみなさんご存知の、中尊寺ですね。

850年に比叡山延暦寺の高僧であった慈覚大師円仁が建立し、その後12世紀のはじめに、奥州藤原氏の初代、藤原清衡によって大規模な造営が行われたところ。

清衡は東北地方で起きた前九年・後三年の役による犠牲者の霊を敵味方関係なく慰めて、仏教で平和な理想社会のことである仏国土を創り出すために建立したとのこと。

 

そんな中尊寺の境内には多くの見どころがあり、その中で一際名を馳せているのが、金色堂ではないでしょうか。

一見したところ普通の建物ですが、中に入ると金箔で彩られた輝く内陣が鎮座しています。

この中に清衡を始め、二代目基衡、三代目秀衡、四代目泰衡の遺体が安置されています。

 

 

他にも、かつては15mもの高さがあった、大長寿院

立派な能舞台がある、白山神社

目にご利益があると言われている、峯薬師堂など。

多くの伽藍からなる中尊寺は、じっくり見て回ることをおすすめします。

 

 

 

 

次に紹介するのは、毛越寺(もうつうじ)

こちらも中尊寺同様850年に、慈覚大師円仁によって建立され、2代目の基衡が造営、3代目の秀衡が完成させたと言われるところ。

度重なる火災によって、現在は建物自体残っていませんが、大泉が池を中心とした浄土の世界を表す庭園や遺跡はしっかりと残っており、特別名勝および特別史跡の両方に指定されている珍しいところとなっています。

1年を通して、祭りやイベントが多く行われているので、それに合わせて訪れてみるのもいいかもしれませんよ。

 

 

 

 

3つ目は、観自在王院跡

こちらは2代目の基衡の妻によって造られたところ。

かつて大小の阿弥陀堂があり、その内壁には石清水八幡宮や平等院といった数々の京都の名所が描かれていたとのことで、京都へのあこがれを当時の平泉の民衆が抱いていたことが伺えたんだとか。

こちらもすべて火災により建物は焼失しましたが、見事に復元され、現在は多くの人に愛されている史跡公園となっています。

 

 

 

 

 

4つ目が、無量光院跡

こちらは3代目の秀衡によって建立されたところで、平等院鳳凰堂を模して造られたんだとか。

しかしながらこちらも焼失し、現在は礎石と庭園が残るだけとなっています。

平泉第5の構成遺産である金鶏山が背後に映るその光景は、無量光院が残っていればどれほど素晴らしいものだったかと、思いを馳せてしまいますね。

 

 

 

 

そして5つ目が、上で述べた金鶏山

この金鶏山を中心として平泉は構成されていると言っても過言ではなく、どの遺産とも切っても切れない関係となっているのです。

登山もできるので、トライしてみてもいいかもです。

 

 

 

 

他にも平泉周辺には、平泉レストハウス、平泉文化史館、月見坂、東物見台といった食事処や平泉の歴史を学ぶことができるところが多くあるので、一気に巡ってみるのがおすすめですね。

 

 

 

 

 

また、町内を走る太田川を上流にたどると見えてくるのが、髢石(かつらいし)姫待の滝

美しい娘を見つけては誘拐する悪路王がこの地に存在し、逃げ出した娘の首を切り落としては太田川に投げ捨てるという鬼畜の所業を行っていたという怖い伝説が。

その娘たちの頭が集まって出来上がったのがこの髢石で、悪路王が娘を待っていたところが姫待の滝なんだとか。

奇妙な伝説があるものです。

 

 

 

さらに上流へ進むと見えてくるのが、達谷窟(たっこくいわや)毘沙門堂

朱く輝く社殿に目を奪われるここは、約1200年前に当時の征夷大将軍であった坂上田村麻呂が戦勝を記念して毘沙門天を祀ったことが始まりとのこと。

少し平泉の中心から離れていますが、多くの人が訪れる、見ごたえのあるところとなっていますよ。

 

 

 

 

 

 

以上、平泉町について紹介してきました。

やっぱり町名にもなっているように、世界遺産の平泉がこの町に与える影響は大きく、切っても切れない関係性だと感じます。

先述したように、平泉はまさに極楽浄土を表しており、仏教文化が根付いたところと言えます。

その辺りも意識しながら、町を歩き楽しめると学びも豊かになるのではと感じます。

他にも平泉町はグリーンツーリズムが盛んで、町の東側のエリアでは農業体験をしながら宿泊や観光ができる施設や宿がいくつもあります。

岩手県内でも盛んに取り組まれているので、歴史をしっかり学んだあとはグリーンツーリズムを体験するのもいいかもしれませんね。

 

 

 

 

 

アクセスですが、JR東北本線が通っています。

近場なら普通列車でもいいですが、遠方からならぜひ東北新幹線を活用しましょう。

2駅離れた一ノ関駅まで行き、乗り換えれば簡単にアクセスできますよ。

東北自動車道も通っているので、自動車でのアクセスもいいでしょう。

 

 

 

 

 

東北における仏教の中心地、平泉町へ訪れてみては。